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越境ECを手がける「洋碼頭(Ymatou)」が海外で登記して中国で事業展開するVIEスキームを放棄し、中国国内上場への準備に動いていることを、ある投資関係者が24日明かした。洋碼頭の担当者は「基本的には事実だ」と認めている。
同社の曽碧波CEOは「上場するとしても海外市場を選択することはない。中国の越境ECにおいて当社はミドルクラスだが、これからが勝負だ」と語る。
今年4月、同社の越境EC事業の主体「YMT HOLDING LIMITED」とインターネットメディア「耀世星輝(Glory Star)」が合併意向書を締結。業界関係者は洋碼頭がこれを機に米国上場に乗り出すのではないかと見ていた。同社はナスダック上場企業である耀世星輝と資本提携に関わる意向書を結んだことを認めつつ、初期検討段階で停滞したままだと説明している。
2009年に設立した洋碼頭は、「バイヤー制」を導入した越境ECプラットフォームとして注目を浴びてきた。しかし、消費者のクレームを集めるプラットフォーム「黒猫投訴」で検索すると、洋碼頭関連のクレームは1622件に上る。その内容は「商品が偽物だった」「アフターサービスがない」「返品拒否」などのもの。
同社は今年3月、利用者が正規品を安心して購入できるよう世界中のバイヤーと提携して新サービスを開始。厳格な基準を満たした「奢品直営」商品を購入する際、発注から商品到着の全過程で自分専用のカスタマーサービス、新商品の確保、真贋鑑定といったサービスを受けられる。また、返品、返金への対応もスムーズになるという。洋碼頭は同サービスに従事するバイヤーに対して、資金、商品、顧客情報、アフターサービスなどにおける全面的な支援を提供する。
企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、洋碼頭はこれまでにエンジェルラウンドで500万元(約8500万円)、シリーズAで数千万元(数億円)、シリーズD+で数億元(数十億円)など、計7回の資金調達を行っている。
ある報道によると、同社はこれまでアクセス数が伸びない、資金が予定通り振り込まれないなど会社存続の危機に関わる事態も経験してきたという。2017年には2億元(約34億円)の赤字も計上した。
現在、越境EC市場は新型コロナウィルス拡大の影響で大きな変化が起きている。市場シェアは大手企業により集中しやすくなった。中国の調査会社「易観(Analysys)」が発表したレポートによると、2020年第4四半期(10~12月)に最大の市場シェアを占めたのは「天猫国際(Tmall Global)」で37.2%、次が「考拉海購(kaola.com)」で27.5%、そして「京東国際(JD Worldwide)」の14.3%と続く。
洋碼頭は越境EC市場に参入してすでに12年目となる。今後も事業を継続できるのか、流通市場で認められる存在になるのか、現時点では予測がつかない。
(翻訳:Qiunai)
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