フードデリバリー急回復の「美団」、21年1~3月期は売上高倍増も共同購入事業で赤字拡大

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フードデリバリーなどの生活関連サービスを提供する「美団(Meituan)」が5月28日、2021年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。

売上高は前年同期から実に120.9%の増加となる370億元(約6400億円)だった。調整後の純損失はNon-GAAPベースで38億9200万元(約670億円)となり、前年同期の15億7800万元(約270億円)からさらに膨らんだ。

プラットフォームのユーザー数も目覚ましい伸びを見せている。3月末までの1年間に取引実績のあるアクティブな事業者が710万店、年間アクティブユーザーが5億7000万人と、いずれも過去最高数を記録した。

特に、アクティブユーザー数は前四半期から5870万人増加しており、市場の予測をはるかに上回る成長となった。中国の大手ECプラットフォームと比較すると、アリババは前期比3200万人の増加、「京東(JD.com)」は同2800万人、「拼多多(Pinduoduo)」は同3500万人となっており、美団が四半期の増加数でトップに立っている。

美団の経営状況(財務報告書より)

コロナ禍により昨年の業績が低水準だったことに加え、今年の春節には帰省自粛の動きが広がったため、フードデリバリー事業の売上高が驚異的な伸びを見せた。今四半期の取引額は前年同期比99.6%増の1427億元(約2兆4600億円)で、売上高は同116.8%増の205億7500万元(約3500億円)だった。

フードデリバリー事業の営業損益に関しては、前年同期が7000万元の損失だったのに対し、今四半期は11億元(約190億円)の利益となっており、営業利益率は-0.7%から5.4%へと急回復を遂げた。デリバリーの取引件数も前年同期から113.5%増加して、1日当たり平均3230万件となった。

今年は春節期間中の割引キャンペーンを縮小したため、フードデリバリー事業のテイクレート(取扱高に対するプラットフォームの収益の割合)は前年同期の13.3%から14.4%に上昇したものの、平均注文額は前年より5.5%減少した。

実店舗・ホテル事業も急速に回復を遂げている。売上高は前年同期比112.7%増の65億8400万元(約1100億円)、営業利益は27億元(約470億円)で、営業利益率は前年同期の22%から41.7%へと大きく改善した。

新事業およびその他の売上高は、前年同期比136%増の98億5600万元(約1700億円)だったが、損失額も80億元(約1400億円)に拡大した。日割り計算すると1日当たりの損失額は1億元(約17億円)近くに達し、営業損失率は81.6%にも上る。特に力を入れている住宅地向け共同購入サービス「美団優選(Meituan Select)」は1日平均1800万件前後の受注があるといい、1件当たり7元(約120円)とすると、今四半期のGMV(流通取引総額)は120億元(約2070億円)という計算になる。美団優選が利用可能な都市は3月末時点で2600を超えており、全国展開はほぼ果たされたと言えるだろう。

フードデリバリーなど主力事業が好調を維持しているものの、共同購入サービスという新事業のコストも予想以上に膨れ上がったようだ。
(翻訳・畠中裕子)

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