カーボンニュートラルが時代の潮流に SaaSやアプリで実施状況管理

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カーボンニュートラルが時代の潮流に SaaSやアプリで実施状況管理

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カーボンニュートラル(炭素中立)の管理プラットフォームを運営する「碳中宝(Carbonbase)」がエンジェルラウンドで100万ドル(約1億1000万円)規模の資金を調達したことがわかった。出資者はUAE・イスラエル・米国による「Abraham Fund(アブラハム基金)」、「華岩資本(ChinaRock Capital Management)」、Skypeの共同創業者ジャン・タリン氏のファミリーオフィス、「奇蹟創壇(MIRACLE PLUS、前:Yコンビネータ中国)」など。調達した資金は組織拡大や製品構築に充てられる。

2020年に上海と香港で登記された碳中宝は、カーボンアカウンティング(炭素会計:事業活動が温室効果ガス削減に寄与した度合いを算定・集計すること)やカーボンニュートラル、グリーン投資に取り組む。ビッグデータ分析やブロックチェーン技術を基盤として、カーボンマネジメント(温室効果ガス抑制・削減の取り組み)のSaaS、グリーン投資、個人向けカーボンフットプリント(原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの商品のライフサイクル全体に付随する温室効果ガスの排出状況を追跡すること)の3つを主な事業としている。

中国政府が今年、2030年までにCO2排出量のピークアウト、2060年にカーボンニュートラルを実現するとの目標を掲げたことで、にわかにカーボンニュートラルが注目を集めている。

碳中宝の宋邁思CEOは「世界で約100の国・地域が今世紀中にカーボンニュートラルを実現するとしている中、香港証券取引所に上場する企業にはESG(環境・社会・企業統治)関連のデータを公開することが義務付けられ、CO2排出量に関するデータも毎年提出しなければならなくなった。中国本土市場でも徐々に規範化が進んでいくだろう。碳中宝はテクノロジーとグリーン投資を切り口に、カーボンアカウンティングを下敷きにして、企業がカーボンニュートラルを見据えた新しい成長方針を立てられるよう支援していく」と述べている。

碳中宝のコア事業はSaaSで、CO2の排出源と分布をワンストップで計算・診断し、企業のカーボンアカウンティングを精確に行う。ブロックチェーン技術を運用し、サプライチェーン上のカーボンフットプリントを可視化し、CO2排出データを記録・追跡する。非中央集権型管理のため、データの追跡・検証・交換が容易で、効率や信用性も高められる。カーボンアカウンティングに加え、世界のカーボンシンク(炭素貯蔵所、CO2吸収源)資源も提供している。

碳中宝のミニアプリ

同社のサービスは個人向けにも応用されている。香港の個人資産運用自動化アプリ「Planto」と共同でCO2排出量を計算するサービスを開発、取引1件ごとにカーボンフットプリントを表示して環境保護に対する意識を高める。中国本土では同様のサービスをミニアプリで展開中だ。

SaaSが重点的にサービス対象としているのはサプライチェーン、海運・船舶、建設、新エネルギー、資金管理、インターネット産業などだ。海運業界を例にとると、国際海事機関(IMO)が2050年までに炭素集約度(エネルギー消費量単位あたりのCO2排出量)を70%削減するよう求めていることから、香港で70年以上の歴史を持つ「華光海運(Wah Kwong Maritime Transport)」は碳中宝の支援を得て、カーボンニュートラルに取り組む香港初の海運会社となった。

カーボンファイナンス(炭素金融)市場の成長に伴い、中国全土の取引市場もさらに規範化を進めようとしている。カーボンマネジメントのSaaSは、環境保護分野における新たな恒久需要となるだろう。

宋CEOは米ブラウン大学で応用数学を専攻し、シリコンバレーでデータサイエンティストとして従事、米航空宇宙局(NASA)のエイムズ研究センターでは生物学を研究し、過去には生物工学、TMT(テクノロジー・メディア・通信)、AI、ブロックチェーン分野で投資も手掛けた。同社のメンバーは7カ国から集まっており、デロイト、メリルリンチ、マイクロソフト、ゴールドマン・サックス、シスコシステムズなどの出身者だ。
(翻訳・愛玉)

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