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昨年以来、コロナ禍にあってゲーム業界が勢いづいている。中でも、巣ごもり経済に後押しされ、スマホゲームが爆発的な人気を集めている。
動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」もこの波に乗り、昨年から日韓のゲーム市場で相次いで作品をリリースしている。まず「アークオーダー(方舟指令)」を日本市場でリリースしたところ、無料ゲームランキングで7位につけた。次に「魂器学院(HorcruxCollege)」を日本でリリースし、こちらは無料ゲームランキングのトップ5に入った。その後にリリースされた「ファイナルギア(重装戦姫)」は日本の販売ランキングで14位に入った。
ファイナルギアは先月下旬に韓国でもリリースされて好成績を収め、近年同国に進出した2D(2次元)ゲームの中でも上位に食い込んでいる。
日韓のゲーム市場
数年来、中国ゲームメーカーにとって日韓市場は海外の重要な収入源になっている。昨年、中国が自主開発したモバイルゲームの海外売上高のうち、日本が23.91%、韓国が8.81%を占め、それぞれ2位、3位となった。
日本は市場の規模が大きく、プレーヤーの質が高く、文化的に近いことが中国ゲーム企業を引き付ける。また、2020年韓国ゲーム白書によると、韓国ゲーム市場のシェアは19年に世界第5位となっており、短期的には引き続き急速に成長するとの見方もある。
20年の統計では韓国市場がARPU(Average Revenue Per User、ユーザーあたりの平均売上額)で首位に立ち、日本と中国がその後に続き、さらにカナダ、イギリス、米国などが続いていることにも注目したい。
ビリビリの逆輸出
2次元文化の発祥地である日本は、2Dゲームが成長する土壌があり、韓国も似たような2次元文化の市場がある。そのため、2次元を得意とするビリビリはゲームの逆輸出の最初の市場に日韓を選んだ。
ファイナルギアは昨年10月に日本市場でリリースされた後、短期間のうちにApp StoreとGoogle Playで無料ゲームランキングのトップという成績を収めている。また、先月韓国に進出しGoogle Play ゲームでのダウンロード数が4日連続でランキング1位になった。
同ゲームが好成績を収めた理由の一つは、さまざまなメカや少女が登場する2次元のRPG(ロールプレイングゲーム)であった点で、予約の段階から日韓のプレーヤーの期待が集まっていた。
さらに、2次元の作品では声優も重要となるため、発売前にはツイッター上で声優のサインが当たる抽選、ライブ中継などの各種イベントを行ってファンを満足させたことも人気を得られた理由であろう。
また、ファイナルギアは現地で人気があるゲーム情報サイトに依頼して宣伝を行った。特筆すべきは日韓ではテレビが今も重要な広告手段であるため、ファイナルギアもテレビ広告を行ったことだ。地域に合う宣伝方法を取ったことで、リリース後すぐに好成績を収めることができた。
ビリビリの最近の日韓での好成績は、同市場に進出する大多数の中国の2Dゲームと比べても、目を引く。ただ、海外ゲーム市場での顧客獲得コストの上昇、ニーズの違い、政策の影響などさまざまな課題にも直面し始めている。また、ゲームの自社開発が弱いという短所の克服も、ビリビリの検討しなければならない課題だ。
(翻訳・二胡)
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