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ロイターは6月16日、関係者からの情報として、インドネシアのECプラットフォーム「Bukalapak」が8月にジャカルタで上場すると報じた。調達目標額は5〜8億ドル(約550〜880億円)となる。Bukalapakが上場すれば、インドネシアの直近10年間での最大規模のIPOとなり、同国のスタートアップとしてはこれまで最大となる。
情報によると、東南アジアのテック企業の成長は著しく、多数の投資家が興味を示している。Bukalapakは企業全体の評価額が40〜50億ドル(約4400億円〜5500億円)になることを希望し、その条件下で10%〜15%の株式を発行する予定だ。また、別の情報によれば、Bukalapakはすでに秘密裏に目論見書をインドネシア証券取引所に提出したという。
Bukalapakは2019年に評価額が25億ドル(約2800億円)を超えたことを発表している。今回の上場に関する報道に対し、同社はコメントを発表していない。
ベンチャー企業データーベースの「Crunchbase」によると、創業11年目のBukalapakには17社が出資している。中国のフィンテック大手アント・グループ、スイスのUBS、米マイクロソフト、シンガポールの政府系ファンドGIC、インドネシアのメディア大手「Emtek」、スタンダードチャータード銀行、韓国のポータルサイト「Naver」など 有名企業が名を連ねている。
Bukalapakはもともとインドネシアで上場し3億ドル(約330億円)を調達してから、SPAC(特別買収目的会社)という手法での米国上場を計画していたが、現在は国内でのIPOのみに方針転換したようである。
インドネシアのもう一つの大手テック企業で、ECの「Tokopedia」とライドシェアの「Gojek」が合併した「GoTo」も今年下半期にインドネシアで上場することを予定している。同社の評価額はBukalapakを大きく上回る180億ドル(約2兆円)だ。この2社がともに年内の国内上場を選んだ背景に、インドネシア証券取引所の政策の変化があるとされている。
金融情報サービスの「Refinitiv」によると、インドネシア証券取引所のIPO総額は長年伸び悩んでいる。その上、2020年は新型コロナ禍によって前年の半分に満たない4.7億ドル(約520億円)にとどまった。そこで、インドネシア証券取引所は今年からルールを変更し、黒字化していない企業の上場も許可するようになった。そのため、今年に入ってからすでに15社が上場し、計1.25億ドル(約140億円)を調達した。
Bukalapakの立ち位置を見てみよう。市場調査会社の「Momentum Works」が6月に発表したレポートによると、2020年のインドネシアのECの市場規模は400億ドル(約4兆4000億円)以上であり、Bukalapakのシェアは約7%だ。インドネシアのオンラインビジネスは年平均11%の速さで成長すると見込まれ、大きなチャンスがあるといえる。
しかし、成長する市場ではライバルとの激しい競争がつきものだ。Bukalapakのトラフィックは現時点でインドネシア第3位であり、トップは前出のTokopedia、第2位はシンガポールの「Sea」傘下の「Shopee」、第4位がアリババ傘下の「Lazada」である。TokopediaとShopeeのトラフィックは全体の2/3を占め、両社が中心となってインドネシアのECを支える構造がすでに形成されており、第3位のBukalapakのトラフィックはこの両社の半分以下だ。
さらに、前述のようにTokopediaとGojekが合併したGoToも今年上場する予定で、Shopeeは親会社Seaの資金力を頼りにラテンアメリカに進出するなど、東南アジア以外でも活躍している。強敵を前にBukalapakがどのような戦略を打ち出すのか、注目していきたい。
(翻訳・小六)
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