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シンガポールを拠点とする越境EC運営のサービスプロバイダー「SCI Ecommerce(以下SCI)」が、シリーズC+で8800万シンガポールドル(約72億円)を調達した。出資を主導したのはシンガポールのPEファンド「Asia Partners 」で、シンガポール経済開発庁傘下の投資ファンド「EDBI」なども出資に参加した。
同社CFOのロビン・ヤン氏によると、今回の調達案件は東南アジアのEC向けサービス分野では過去最高額で、SCIの評価額は20億元(約340億円)に達した。
SCIは2014年にシンガポールで設立され、現在はインドネシア、マレーシア、タイ、中国の杭州、北京、深圳に支社を持ち、ECプラットフォームの運営代行や商品供給・販売、ソーシャルコマース、外部サイトへのディスプレイ広告配信、マイナー言語によるカスタマーサービスなどを一手に引き受ける。
創業者でCEOのジョセフ・リウ氏は創業の経緯について、「17歳でシンガポールに留学し、卒業後は出店業者(セラー)として東南アジアのEC業界について知識を深めた。また、サービスプロバイダーに対する市場の需要も認識した。2014年にSCIを創業し、翌年には米国や中国を視察、セラーからサービスプロバイダーへ転身した」と語る。
今年初めには英紙フィナンシャル・タイムズやシンガポール紙ストレーツ・タイムズがSCIを「EC向けサービスプロバイダーとして東南アジアで最速で成長中の企業」として紹介し、年平均成長率は300%を超えていると報じた。ヤンCFOによると、SCIとほぼ同規模の競合企業の成長率は40%前後だという。
SCIは現在、東南アジア諸国と中国で同時展開する唯一のサービスプロバイダーであり、東南アジアと中国双方向の越境コマースを手がけている。オンラインショップの運営、デジタルマーケティング、サイト内での販促、サイト外からの集客、受注処理、商品保管・配送、財務までさまざまなサービスを顧客に提供している。
SCIの顧客は、中国の無形文化遺産にも指定されているはさみの老舗「張小泉」のほか、ユニリーバ、ネスレなど国内外に及ぶ。さらに中国の越境ECプラットフォーム「天猫国際(Tmall Global)」、「考拉海購(Kaola)」、東南アジアのECプラットフォーム「Shopee」、「Lazada」、「Tokopedia」などの大手と提携している。また、短編動画アプリ「TikTok」のソーシャルコマース事業を支援する東南アジア初の公式サービスプロバイダーとして、「TikTok Indonesia」と提携した。
ヤンCFOによると、SCIの事業は2019年にすでに黒字化しており、2020年の売上高は1億ドル(約110億円)を突破。ECサービスプロバイダーとして東南アジア最大規模となっている。
今後の展望について、リウCEOとヤンCFO両氏は「SaaS形式のソリューションを通じ、世界的な大手ブランドと中小企業双方に対し、より的確なサービスを提供していきたい。大手企業にはオーダーメイドのサービスを、中小企業に対しては標準化されたサービスを提供し、優れたツールによってマネジメント業務やオンライン業務の拡大を支援する」と述べた。
(翻訳・愛玉)
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