リストラ加速する製薬メーカー。新薬開発にAI活用へ
デンマークの製薬メーカーノボノルディスクは、中国とデンマークで400人を削減すると発表した。中国のみでは30人を削減する。また、今年末をめどに新療法や新技術を模索する4つの「転化研究部署」を設立。自動化、機械学習、人工知能(AI)にも投資していく。
ノボノルディスクのリストラは今年2回目。ロイターが6月、米国市場不振を背景に、ノボノルディスクが3000人を削減すると報じていた。
中国ではこの数年、臨床試験の受託・代行業務(CRO)が成長してきた。製薬大手にとってみれば、創薬の中心ではない事業をアウトソーシングし、創薬に専念できる。ただ、CROの成長は、グローバル製薬メーカーのリストラも誘発する。9月以降、グラクソ・スミスクライン、武田薬品などグローバル製薬メーカーのリストラが相次ぎ報じられた。
一方で、今回のノボノルディスクの人員削減は「AI」「ビッグデータ」がキーワードになっている。メーカーにとっては、特許権のある創薬が最大の競争力になるが、特許で保護される期間が過ぎると後発医薬品(ジェネリック)が発売され、打撃を受ける。新薬の研究開発効率を上げるため、AIの活用を模索する企業が増えている。
新薬の開発には臨床前研究、臨床試験の申請、新薬申請、発売などいくつもの段階が必要で、10年以上かかることが多いほか、どの段階でも失敗の可能性がある。ディープラーニングを取り入れることで、期間の短縮や失敗率の低下が期待されている。
製薬メーカーやCRO企業の多くは既に、AIに投資している。武田薬品は2017年、米バイオベンチャーNumerateと、ジョンソン・エンド・ジョンソンは英創薬スタートアップBenevolentAIと提携した。今年7月には中国のCRO大手薬明康徳が米創薬スタートアップInsilico Medicineに出資している。
AIが医薬品開発に変革をもたらすとは以前から言われていたが、それが現実のものとなりつつある。
(翻訳・浦上早苗)