香港に重複上場の小鵬汽車、資金調達の多様化目指す

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中国EV(電気自動車)メーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」が今月7日、香港証券取引市場に上場した。初値は168香港ドル(約2400円)となり、165香港ドル(約2300円)に設定していた公開価格を約2%上回った。上場時の資金調達額は140億香港ドル(約2000億円)。公告によると、小鵬汽車は全世界で8500万のクラスA株を発行し、全体の5%にあたる425万株を香港、同95%にあたる8075万株を国際市場で公募するという。

小鵬汽車は2020年8月末にニューヨーク市場に上場したばかり。増資などを経て、現在保有するキャッシュは46億ドル(約5000億円)に達した。今回の香港市場での調達額を合わせると、同社は64億ドル(約7000億円)を保有することになる。ライバルの新興EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」、「理想汽車(Li Auto)」を超す規模だ。

今後5~10年内で必要な資金額について、小鵬汽車の何小鵬CEOは明確に回答していない。ただ、「会社が0から1に進むのに200億元(3400億円)必要だとする。1から100への飛躍には、グローバル化やテクノロジーなどにどの程度資金投入するか各企業で異なるだろうが、当社の場合は300億元(5000億円)以上は必要だと考える」と語った。

資金調達を加速させる小鵬汽車だが、NIO、理想汽車も香港市場で上場準備中と見られる。また、スマートフォン・IoT機器大手のシャオミ(小米)やIT大手バイドゥ(百度)も自動車製造市場に参入している。シャオミは今後10年で100億ドル(約1兆10000億円)を、バイドゥは今後5年で500億元(約8500億円)を自動車開発に投じることを明らかにしている。

何CEOはこの状況に関し「今は皆が戦に備え準備している時だ。組織固めをし、大量の研究開発をこなすことが重要」と話した。

現在、スマートEV関連の企業が数多く誕生しているが、小鵬汽車は2017年時点でスマート化技術の研究体制を立ち上げていた。すでに音声対話、自動駐車支援などの機能を備える「Navigation Guided Pilot (NGP)」をリリースしている。しかしNIO、理想汽車も研究開発を進めており、競争は激化している。

何氏は、「多くの企業がスマート化技術を競い合うのは良い事だ。しかし、当社はスマート化のための基盤づくりを早い段階で整え、技術研究を深く掘り下げている。年を追うごとに他社を引き離す自信がある。自動運転技術はディープラーニングの集大成。大量のデータがさらに品質を改良し、企業間の差が顕著になってくるだろう」と語る。

小鵬汽車の顧宏地総裁は、「今後も中国A株を含めさらに多くの資本市場へ参入したいと考えている。今回の香港市場上場は中国A株市場を見据えたものだ。米国の株式との互換性がなく、今がベストタイミングではないかもしれないが、母国のA株市場には今後も注目していく。時期が来れば、本土市場への回帰も考慮する」と話している。

(翻訳・Qiunai)

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