AIチャットボット「シャオアイス」、マイクロソフトから独立1年でユニコーンに

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AIチャットボット「シャオアイス」、マイクロソフトから独立1年でユニコーンに

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AI技術を手掛ける「シャオアイス(小氷公司)」がシリーズAで資金調達を行った。リード・インベスターは「高瓴資本(Hillhouse Capital)」、コ・インベスターには「五源資本(5Y Capital)」「Neumann(ノイマン)」「IDG資本(IDG Capital)」「GGV起源資本(GGV Capital)」と、前シリーズでも出資を行った「北極星創投(Northern Light)」「ネットイース(網易)」が加わった。シャオアイス社は資金調達を認め、「現在の評価額はユニコーン(10億ドル=約1100億円)規模に達している」と述べた。

シャオアイス社の前身は「マイクソフト・サーチテクノロジーセンター・アジア(STCA)」のAIチャットボット「シャオアイス」開発するチームだ。マイクロソフトの中で最大規模の独立したAI製品の研究開発チームとして2013年12月に設立され、自然言語処理、音声、コンピュータビジョンおよびAIによるコンテンツ自動生成などの技術を研究してきた。

シャオアイス社は多くのパートナー企業と提携を展開しており、すでに金融、小売り、自動車、不動産、繊維など複数の業種で実用化されている。

2020年7月13日、マイクロソフトはシャオアイス事業を独立企業として分離し、引き続き投資を維持することを発表した。同年11月下旬にシャオアイスは、プレシリーズAで資金調達を行ったことを発表した。

マイクロソフトの2020会計年度中、シャオアイス社はすでに小規模な実用化テストを始めており、テスト段階での売上高は1億元(約17億円)を超えた。いくつかの業種では主要サービスおよびソリューションプロバイダーとなり、特に金融業界における要約生成においては90%以上の市場シェアを獲得している。

シャオアイス社の李笛CEOはシャオアイス事業の分離について「売却が目的ではない。現場の技術による革新や有望な将来的展望がなければ、分離は無意味だ」と述べている。

シャオアイスの開発の歴史の中で、コンセプトは2つある。1つはセーラー服を着た女性型のAIチャットボット「シャオアイス」で、もう1つはシャオアイスをベースにしたフレームワークだ。このフレームワークはシャオアイスの名前やイメージにとらわれることなく、様々なキャラクターを生み出すことができる。バックエンドの言語、音声、感情表現などの処理はすべてフレームワークによって提供される。

2014年に初代シャオアイスが誕生し、現在のシャオアイスは第8世代だ。中でも2018年の第6世代は最大規模のアップグレードとなり、ここからフレームワークをベースにした対外的なAI戦略が展開されるようになった。

シャオアイスのフレームワークの誕生は、ほかのAI開発企業との差異化を明確にした。

シャオアイス社の製品形態は、他社のAI製品と異なり、スマートスピーカー、カメラ、車載端末など特定のハードウェアに限定されず、フレームワークとして顧客のAIサービスをサポートすることができる。

このフレームワークはハードウェアによる制限を受けないため、ニュースアプリ「今日頭条」、ミュージックプラットフォーム「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」チャットアプリQQのグループ機能「QQ群」などのサービスや、OPPO、vivo、シャオミなどのデバイスの中で、それぞれ異なったキャラクターのAIとして用いられている。

現在、シャオアイス社は3種類の製品ラインアップとソリューションを提供している。

1つ目は女性型AIチャットボットで、中国の「シャオアイス」、日本やインドネシアなどで展開している「りんな」がそれに該当する。AIチャットボットはサードパーティーのサービスプラットフォームに組み込まれ、AIによるインタラクティブなコミュニケーションを提供する、エンドツーエンドの先進的なAIチャットボットソリューションだ。

2つ目はAIによるインタラクティブフレームのオペレーティングシステムだ。シャオアイスが提供するツールを通じて、顧客のAIの構築、トレーニング、運営、アップデートをサポートする。幅広い分野で、AIアシスタント、対話ロボット、業務自動化ロボット、介護ロボットなどに実用化されている。

3つ目は各業界向けのソリューションだ。これには金融業界における要約生成およびリスクコントロールソリューション、自動車業界における次世代コネクテッドカー向けのインタラクティブシステム、スポーツ分野におけるAIビジョンによる採点補助およびトレーニングシステムなどが含まれる。

またシャオアイス社はこのほど新たな音声認識技術を発表した。この技術はAIの音声を実際の人間の声とほとんど区別できないレベルにまで向上させ、発声、対話、歌唱などのあらゆるシーンにおいて違和感のないコミュニケーションを行うことができる。シャオアイスのフレームワークを利用しているすべてのAIチャットボットにおいて、アップグレードが完了している。
(翻訳・普洱)

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