中国の自動串焼きロボットが話題、環境汚染の軽減にも期待

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中国の自動串焼きロボットが話題、環境汚染の軽減にも期待

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自動で串焼きを焼くロボットを開発する「璽農信息科技(Xinong Information Technology、以下「璽農」)」が、プレシリーズAで1000万元(約1億7000万円)規模の資金を調達した。

同社は2017年設立。冷蔵庫、オーブン、洗浄機、排気設備にIoTや監視カメラ、警報システムを一体化した串焼きの自動販売機を開発し、24時間体制で串焼きを無人販売する。客はその場でも注文可能だが、専用のミニアプリで最寄りの販売機を検索し、前もって注文することもできる。一度に20本まで調理でき、焼き上がりまでは6分。冷蔵庫には200本分が保存できる。

創業者の郭治国CEOによると、自動販売機は3年をかけて開発され、すでに20件以上の特許を出願している。現在、油煙の除去率は98%、冷凍温度は−18℃、オーブンの加熱温度は210℃で、IoTシステムを通じ常時遠隔で温度管理や在庫管理、洗浄回数管理などを行い、適切なタイミングでメンテナンスを行う。

璽農の串焼き自動販売機

法人顧客に対しては、販売機とオーダーメイドのサービスを提供する事業モデルを試行している。上海のカラオケ店や内モンゴル自治区のホテルや学校ですでに試験導入されており、カラオケ店では1台あたり1日300本を売り上げるという。

販売機は自社のアセンブリープラントで製造されており、月100台余りを生産するがとても需要に追いつかず、OEMを準備中だ。

販売機の導入コストは約5万元(約85万円)。璽農が食材の配送や補充、メンテナンスを行い、顧客から5〜8%のレベニューシェアを徴収する。串焼きの販売価格は1本5〜8元(約85〜135円)で、販売機1台に1日2回食材を補充すると仮定すると、3カ月で初期費用を回収できるという。

顧客の導入した自動販売機がリアルタイムで収集した販売データ

串焼きに使う羊肉は内モンゴルの工場から供給される。食肉の加工現場は0〜4℃の低温が保たれ、無菌状態で真空包装された後、わずか12分で急速冷凍される。こうしたプロセスにより素材の食感や鮮度、栄養成分が保たれるという。

郭CEOによると、璽農は開発力の高さで優位性を持つ。メンバーは農業分野やオートメーション分野でキャリアを積み、冷蔵、調理、排気清浄化、消毒の自動化モジュールを開発するのに3年を費やした。一般の串焼きは油煙をそのまま排気するが、璽農は油煙を除去する処理を加えるため、環境への負荷も小さくて済む。さらに、契約牧場から質のよい食肉を直接仕入れている点も強みだ。

創業者の郭治国CEOは過去に「阿拉牧場(ALA FARMER)」を創業した人物。中国独自の衛星測位システム北斗衛星(BeiDou)を用いて牧畜業のデジタル化を実現した。通信機器大手ファーウェイや電気機器大手TCLに勤めた経験も持つ。さらに畜産業、飲食業出身の共同創業者らが脇を固める。

中国の串焼き市場は現在2000億元(約3兆4000億円)規模。既存の業態では環境や都市景観、食品衛生管理などの面で課題を残しているが、郭CEOは璽農の自動販売機を通じて油煙による環境汚染が軽減できると考える。また、テクノロジーを活用して農業のインダストリアルチェーンを統合したことで、畜産農家がより多様な商品供給の手段を持てるようになるとしている。
(翻訳・愛玉)

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