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ビッグデータを活用した健康管理システムを研究開発する「幾何科技(Geometry Healthcare)」が先月18日、健康状態を測定するスマートトイレ「SYNSOL(叁頌)」を発表した。アプリと連動した健康管理サービスを提供する。
初の量産品となった本製品はバイオチップ、運動指導アルゴリズムを利用し、約30項目のバイオマーカーを継続してモニタリングできる。生体電気の計測により健康状態の評価や個別の予防プラン作成も可能で、早期の疾病予防に役立つ。
現在、幾何科技の実験室では100を超すバイオマーカーの検査実験が完了している。SYNSOLのバイオチップはドライケミストリー、エレクトロケミストリー、免疫測定法などさまざま検査技術を集約し、30項目近いバイオマーカーの測定を可能にした。
幾何科技創始者の陳良程氏は「尿はヒトの身体にとって重要な代謝物の一つ。検査対象となる物質が豊富で、繰り返し検査することで健康状態を隅々まで調べられる。尿は血液検査よりもハードルが低く、便座に搭載された尿検査自動化技術によりユーザーは負担なく長期的に健康管理を行える」と説明する。
ただ、検体採取は初歩に過ぎず、重要なのはその後の分析や処理、そしてユーザーへの個別健康指導だ。
陳氏は「バイオチップ内蔵のスマート便座はセンサーに過ぎない。人体のデータを基に健康管理プラットフォームを作り上げ、病気の予防、管理を行うクローズドループを立ち上げることが目標だ」と語る。
SYNSOLは、家庭内の家族が共同で使用できるようになっている。アプリまたはリモコンを通してユーザーを識別し、個々でヘルスファイルを持てるからだ。また、同社は異なる需要を持つ人たちの要望に沿った検査サービスを提供するために、さまざまな種類の検査チップを開発中だ。
クローズドループの立ち上げには、SYNSOLアプリはユーザーごとの健康目標に合わせて、健康管理プログラムを開発している。アプリはユーザーの検査結果、データに基づき、健康プランをカスタマイズして提供する。ユーザーは自身の健康目標を達成するため、プログラムで定められた健康ミッションを完成させることが求められる。現在同社のアプリには「科学検査プログラム」「科学栄養プログラム」「心理安定プログラム」「排尿感改善プログラム」などがある。
ソフトウェア責任者の孫慕烈氏は、ユーザー一人ひとりに対し栄養、運動などを含めた個別の健康指導を行うため、生理面、心理面、生活面などさまざまな方面から健康プログラムを開発すると説明する。
現在、中国の慢性疾患の発症率、死亡率は高水準なのに対し、罹患を認識し治療に至る比率(認識度)は低い。最新の医学統計によれば、中国の2019年の高血圧患者の認識度および治療率はそれぞれ46.9%と40.7%で、過半数に満たない状況だった。糖尿病に至っては認識度36.5%、治療率32.3%という低さだった。
高齢化が進むにつれ、人々の健康リスクは増加する。このため、定期健診や早期スクリーニングが重要だが、早期予防という面では現行の健診で有効な改善策は得られていない。便利かつ効率的な予防がまさに今社会で求められている。SYNSOLのリリースは身体に負担を伴わない日常的な健康管理へ向けたチャレンジなのだ。
今後、SYNSOLは機能食品、健康補助食品といったブランドと提携し、「生理・生化学検査+専門家コンサルティング+栄養のオーダーメイド」を組み合わせた消費体験を提供するオフラインスポットを運営する計画だ。
SYNSOLからは今後、皮膚状態を測定するスマートミラー、唾液中の尿酸濃度を測るスマート歯ブラシなど家庭用POCT(ポイント・オブ・ケア・テスティング)製品がリリースされる予定。新しい検査技術、評価・指導方法を通じて、各ユーザーが自分だけの「検査室」と「健康管理の専門家」を持てるよう事業を加速していく。
(翻訳・Qiunai)
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