中国インシュアテック、DXで保険会社の資金管理を一本化

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保険会社へ資金管理ソリューションを提供する「微保科技(CHINAVBAO)」が8月10日、シリーズBで数千万元(数億円)を調達した。「境成資本(JCP Capital)」や「雲和資本(Yun He Capital)」などが出資した。微保科技はこれまでにも「易宝支付(YeePay.com)」などから複数回の出資を受けている。

微保科技は2014年に設立された。保険業界に向けてデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用した総合ソリューションを提供するインシュアテック企業だ。保険会社、保険仲介業者および代理店が膨大な保険ニーズに応えられるようビッグデータ、クラウドコンピューティングおよびAIを駆使したサポートを提供している。決済管理やミドルオフィスシステムの開発などが主要業務だ。

保険業界は競争の激しい市場だ。中国銀行保険監督管理委員会のデータによると、2020年は中国保険業界の保険料収入が前年比6.1%増の4兆5000億元(約76兆円)に達している。インシュアテック企業は近年、目覚ましい成長を遂げており、今まさにDXによる転換期を迎えている。今年は多くのインシュアテック企業が大型の資金調達を発表している。

従来型の保険会社は、取引管理に頭を悩ませてきた。まず、ソフトウェアの自社開発には膨大なコストを要するにもかかわらず、安全性と安定性に問題があった。また、取引に関わる新政策が次々と打ち出されるのに対し、速やかな対応ができなかった。さらに、決済ツールがバラバラでそれぞれの維持費用がかさむ上、帳簿照合も難しいといった問題が存在していた。

同社は設立当初から取引管理に特化し、保険業界に急速に参入した。決済ツールの一元管理を実現すると同時に、決済に関わるミドルオフィスシステムを独自開発し、保険会社の帳簿照合業務を改善した。

取引管理の収入源は、完了した取引の件数または取引額に応じた手数料だ。微保科技は創業当初、「アリペイ(支付宝)」などの第三者決済機関と競合関係にあった。しかし、現在は中国支付清算協会(PCAC)が規定するアウトソーシング企業に登録されており、第三者決済機関および銀行との間に対等の協力関係を築いている。

現在は「陽光保険集団(Sunshine Insurance Group)」や「華夏人寿(HUA INSURANCE)」など保険会社50社の顧客にリーチし、銀行および決済機関10数行(社)と協力している。これまでに処理した保険取引額は2000億元(約3兆4000億円)を超えた。

微保科技は昨年以降、バックエンドの決済に関する技術サービスからミドルオフィスシステムの開発や代理店サービスのフロント業務支援へと事業を拡大してきた。すでに数十社の保険仲介業者、数万店の代理店にサービスを提供しており、取り扱う保険料は月間2000万元(約3億4000万円)を超えている。今後は保険会社、仲介業者および代理店をつなぐデジタル取引プラットフォームを立ち上げる計画だ。

創業者の楊斌氏は今後について「微保科技は取引シーンにおけるDXを加速させ、デジタル人民元やデジタル認証、デジタルサプライチェーンなどを導入していく。取引管理の規模を拡大し、ミドルオフィスシステムや取引プラットフォームの構築を通じて業界のエコシステムを構築したい」と語った。

(翻訳・Qiunai)

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