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農業用無人車のブランド「沐秦智能(Muqin Technology)」がこのほど、エンジェルラウンドで「甲子啓航資本(Topsailing Capital)」から約1千万元(約1億7000万円)を調達した。調達した資金は主に工場の建設、生産や販売組織のチームビルディングに充てる。
国家統計局のデータによると、2019年時点において、中国の果樹園の面積は約1228万ヘクタールで、生産高は2億7400万トンに達している。
中国の農業では機械化が進んでいるが、果樹園はまだ人手に頼っている。特に農薬散布は人が近距離で農薬を噴霧するため、人体への影響が大きい。
沐秦知能は2017年から農業用無人車の開発を手掛けている。農業用無人車両は現在、中小規模の果樹園で散布、運搬、除草、施肥などに使用されている。
沐秦智能の創業者である張旭超CEOは、果樹園での農薬散布に関して人手不足という問題があるほか、散布を短時間で完了させる必要があり、かつ農薬の濃度を厳しくコントロールし、まんべんなく散布しなければならないと指摘した上で「人では効率が悪く、ドローンでは農薬の積載量が少なく広い範囲に散布できないうえ、上空からでは的確に散布できない」と話す。
そこで、沐秦智能は農業用無人車を設計。張CEOは、無人車の最大の特徴は自動で的確な作業が可能で、車体がコンパクトであることであり、果樹園が抱える三つの課題を解決できるとしている。
一つ目は人の作業を代替できること。無人車はリモコンで操作でき、自動で作業できる。
二つ目は作業が効率的であること。無人車は200キログラムの液体の農薬を載せて16メートル先まで散布でき、一日に人の15倍以上の作業をこなす。
三つ目は使用にかかるコストが低いこと。電力で動くため従来型のエンジン搭載車両よりもメンテナンス費用が安く、農薬散布にかかるコストも人手の20分の1で済む。
張CEOは、沐秦智能のコアコンピタンスに革新力を挙げる。「農業分野は工業や消費分野とは異なり、需要がどこにあるかを考え、自分で問題を見つけ、解決していく必要がある。長い時間とコストをかけて試行錯誤を重ねなければ創造的かつ実用的な製品は作れない」と話す。
また、張CEOはコアメンバーの専門的な能力もブランドの重要な競争力だとみる。
創業者の張氏は西安交通大学機械工学博士で、以前同大学の模型航空機チームのリーダーを務め、飛翔体の設計でチームを度々国内外の賞の獲得に導き、実用新案5件と専利(特許)2件を保有する。中心メンバーも西安交通大学や清華大学など国内外の名門大学出身で、無人車の設計や開発において豊富な経験を持つ。
今回出資した甲子啓航資本の創業パートナーである張雲祥氏は、「中国では果物など商品作物の栽培面積は広いが、高齢化に伴って人件費が上昇している。果樹園での農薬散布は高頻度の作業であり、無人の農薬散布用機器は現在抱えている最大の問題を解決することができる」と話し、さらに創業者の張氏やメンバーの豊富な経験や技術力を高く評価した。
(翻訳・二胡)
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