海運プラットフォーム「運個貨」が二度目の資金調達、創業から半年で1000社が利用

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複合一貫輸送サービスプラットフォーム「運個貨(Yun Ge Huo)」がシリーズプレAで数百万ドルを調達した。出資者は真格基金(Zhen Fund)。調達した資金は市場開拓及び技術研究に充てられる。同社は今年8月、エンジェルラウンドで啓賦資本(QF Capital)から1000万元(約1億6000万円)規模の資金を調達した。

資金調達の冬であっても、旧態依然とした海運業をインターネットで変革すれば、大きなビジネスチャンスを掴めると見込まれ、短期間の内に二度の資金調達に成功したものとみられる。

運個貨は今年5月にサービスを開始した。オンライン見積りシステムと貨物追跡機能により、「見積りが面倒」「貨物追跡が困難」といった荷主の悩みを解消してくれるプラットフォームだ。

このような悩みが依然として存在しているのは、海運業界が閉鎖的で、資源が分散され、IT化が遅々として進まないためだ。例えば、ミネラルウォーター100ケースを長白山(吉林省と北朝鮮の国境地帯)から深圳市のスーパーまで送るとする。港、船舶会社、コンテナ車、運転手などの手配が必要で、従来ならば、船舶代理会社がコーディネイターの役割を担う。

しかし、船舶代理店のオペレーションは人力によるところが多く、効率が悪い。運個貨のCOOであるZak氏は「船舶代理会社と船舶会社、トレーラー輸送会社とのやり取りは、一般的にはQQ(旧来のメッセンジャーアプリ)で行われており、微信(WeChat、現在主流のメッセンジャーアプリ)に移行していない場合もある。船舶代理店は荷主から問い合わせが入ると、複数のスタッフで手分けして船舶会社やトレーラー輸送会社と交渉し、条件にマッチする会社を探す。こうしたやり方では、荷主にとっての理想的なプランを提供するまでに少なくとも1時間強、遅ければ半日、1日かかってしまう」と述べている。

一方、運個貨のオンライン見積もりシステムは登録済みの150以上の港について、コンテナ車の費用やコンテナターミナルの情報などを、各船舶会社のデータとリアルタイムで照合する。荷主はサイト上に配送元や配送先などの情報を入力するだけで、1秒以内に最適なプランを探し当てることができるのだ。

貨物追跡についても、従来型の船舶代理店は、スタッフが電話やQQで直接、運送状況を追跡している。遅延などのトラブルが発生した場合も事後報告しかできず、荷主の納期に影響してしまう。

運個貨では、運転手や船舶会社がプラットフォームを通じて貨物の輸送状況を随時共有しており、荷主による貨物追跡も簡単になった。突発的な事態も事前に予測する。

同社の事業は、利益率約20%に達している。サービスを開始した初月の合計運送費は600万元超。10月には3000万元を突破している。また、コンテナの月間輸送量は1万台を超え、これまでに1000社以上の企業が同社のサービスを利用した。

運個貨を創業したのは、複数の創業経験を持つ「85後(1985年以後生まれ)」のグループ。アリババグループ(阿里巴巴集団)で1兆元規模のO2Oプロジェクトを成功させた経験を有する。
(翻訳・飯塚竜二)

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