2019年バスケW杯の開催地は中国、スポーツ産業後進国で求められる変革

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FIBAバスケットボール・ワールドカップ2019が中国で開催される。バスケットボールは中国では最も人気があるスポーツだ。

テンセント(騰訊)が11月に開催した「2018数字体育全球峰会(DIGITAL SPORT GLOBAL SUMMIT)」で発表されたデータによると、最も好きなスポーツについて「バスケットボール」と回答した中国人は約50%。バスケットボールを好む若年層は週平均1.37試合を観戦しているという。

サッカーW杯同様、バスケットボールは各業界に経済効果を波及させられるだろうか?

観戦はネットが主流

テンセント傘下の騰訊体育などがまとめた「2018中国バスケットボール産業報告」では、20歳以下のバスケットボールファンの71.5%はスマートフォンで、約50%はテレビで観戦する。20歳を超えるとテレビ観戦の割合が増えていく。

また、約80%が「友人と一緒に観戦したい」としたほか、「観戦中にライブ配信やBBSでコメントを読んだり書いたりする」としたファンが約30%いた。大多数が観戦を通じたコミュニケーションを楽しんでいることがわかる。

女性ファンも増えてきている。それに伴い、試合中継にエンターテインメント性を求める傾向が強まっている。また、より豊かな臨場感を求めて「VR(仮想現実)などの技術導入に期待する」としたファンも40%を超えた。

バスケットボールに限らず、W杯のような国際試合をインターネットで観戦する割合はすでに90%を超えている。スポーツ中継の主戦場は、すでにテレビではないことは明らかだ。

産業構造の変革は好機か否か?

媒体が変わるということは、広告手法も変わるということだ。各企業はインターネットなどの新興媒体で、効果的にユーザーにリーチするノウハウを早急に見つけなければならない。

多くの企業では、マーケティングと営業、広告はそれぞれ別の部署で管理されている。しかし、新興メディアではこの3つを切り離してはならない。また、中国のスポーツ産業では、ユーザーと企業、消費習慣が連動していないため、バスケW杯を契機に産業構造の一新が期待される。

テンセントは2019年のバスケW杯期間中、パソコンやモバイル端末、OTT(オーバー・ザ・トップ)などを通じて全試合を生中継するほか、リクエスト放送やショート動画、文字コンテンツなどを提供する。また、ソーシャルアプリのQQや微信(WeChat)、オンライン決済サービスの微信支付(WeChat Pay)、テンセントゲームズ(騰訊游戯)などでも関連企画を展開する。

中国にはバスケットボールファンが5億人、コアなファンは1億4000万人いると言われる。彼らを満足させるクオリティの中継を実現するとともに、ソーシャルメディアとの連動やエンターテイメントとの融合でニーズに応えるべきだ。

米スポーツ局ESPN北アジアのジェネラルマネジャーKelly Cooke氏は「視聴者はもはや受け身ではなく、参加型の観戦を求めている。メディアはデジタル技術を駆使して彼らの視聴習慣を理解すべきだ」と述べている。

バスケットボール経済の誕生

中国はスポーツ関連の消費力で後れをとっている。スポーツが日常と密接な米国では、スポーツ関連の消費額は中国の50倍、日本も中国の40倍だ。

中国において、スポーツとその周辺産業がもたらす経済規模はどの程度なのだろうか?

スポーツ解説者・劉建宏氏は、eスポーツが活路の一つになると予測する。実際、NBA(米プロバスケットボールリーグ)はすでにeスポーツリーグ「NBA 2Kリーグ」を発足させている。CBA(中国プロバスケットボールリーグ)がこれに追随する可能性は否定できない。

中国の「バスケットボール経済」がエンターテインメント、ファッション、カルチャー、ゲームなど各分野と結びついて発展し、中国のスポーツ界全体をけん引する存在になることが望まれる。
(翻訳・愛玉)

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