中国では消防用設備をIoTで遠隔メンテナンス、政府・自治体も支援

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中国では消防用設備をIoTで遠隔メンテナンス、政府・自治体も支援

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消防用設備のメンテナンスに、IoTを取り入れた変革が起きつつある。従来の定期点検では不完全だったメンテナンス体制にワイヤレスセンサーを導入し、設備の故障や異常を常時、遠隔検知できるようになった。中国では政府や地方自治体の後押しを受け、消防とIoTの結びつきが急速に進んでいる。

2017年10月、公安部消防総局が「『スマート消防』構築の全面的推進に関する指導意見」を公布し、消防設備にIoT技術を利用した遠隔監視システム構築を重要事業に位置付けた。また、2018年5月からは上海市で「消防設備のIoTシステム技術に関する規範」が施行された。

「拓普索爾電子科技(TOPSAIL)」はこうした状況下で成長を遂げつつある民間企業だ。省電力型ワイヤレスセンサーの開発、設計、生産と販売を主力事業とし、その製品は、消防だけでなく、水やガス、石油の供給や集中暖房まで幅広い領域で生かされている。

同社の製品には、排水管網・水道管・ガス管への圧力を遠隔監視するシステムや、水道管・防火水槽などの水位を遠隔監視するシステム、消火栓の水圧や衝撃・傾きの有無を遠隔監視するシステムなどがある。ワイヤレスセンサーが収集したこれらの情報は、IoT向け無線通信技術NB-IoT、LoRaなどを通じて管理プラットフォームに常時共有される。

これらによって、実際の火災で消防用設備が使えなくなるトラブルを回避するほか、火災時に現場近くの消防用設備を迅速に確保でき、定期点検のコストを削減できるようになる。

同社は火災関連のハードウェア販売からスタートし、集積したデータを分析して、漏水の遠隔検知など派生製品に事業を拡大した。同社の張博CEOによると、ワイヤレスセンサーの需要は今後5~10年で1500万セットに及ぶ。市場規模としては200~300億元(約3200~4900億円)程度と見積もっている。

拓普索爾の製品は消防関係のIoTプロジェクト1000件に採用され、およそ1500棟の建物や集合住宅に導入されている。上海市を中心に、駅や空港、公共施設などにも組み込まれた。2018年の出荷数は2万セット、売上高2000万元と推計する。

同社は2014年に消防用設備向けのワイヤレスセンサー販売を開始しており、すでに2000平方メートルに及ぶ大規模な生産工場も構えている。生産コストや供給面で他社を一歩リードする形だ。

従業員は約40名。CEOの張博氏は2005年から国営エネルギー企業の中国石油天然気(ペトロチャイナ)でパイプライン事業に従事した経験があり、CMOの季永慶氏は通信機器大手ファーウェイ(為華技術)で販売やマネジメントを経験した。拓普索爾は2015年にシードラウンドで資金を調達。現在、2000万元以上の調達を計画している。
(翻訳・愛玉)

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