建設業に特化した高精度人材マッチング「魚泡網」、現場向け管理ツールも提供

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建設業に特化した高精度人材マッチング「魚泡網」、現場向け管理ツールも提供

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建設業界向け人材プラットフォーム「魚泡網(yupao.com)」を運営する「成都魚泡科技(Chengdu Yupao Technology)」がプレシリーズAで2億元(約35億円)を調達した。「鐘鼎資本(Eastern bell Capital)」が単独で出資した。資金は研究開発のほか、サービス体系の改善や人材拡充、業界でのさらなる地位固めに用いられる。

2017年に設立された魚泡網は主に工事・建設業界の人材マッチングサービスから始め、業界のあらゆるシーンに対応したSaaSツールを提供している。現在は、個人と法人いずれにもサービスを提供するプラットフォーム型企業として急成長を遂げている。これまでにのべ1億人以上が魚泡網のサービスを利用し、プロダクトのMAU(月間アクティブユーザー)は1000万人規模に達した。

「設立にあたって魚泡網は建設業界に着目した」と、創業者の周峰氏は語る。「業界内のデータによると、中国の建設業従事者は2020年に7000万人を超えている。雇用者の多くは小規模組織で、作業員は年に8~9回現場を変わっている。人材プラットフォームを展開するうえで申し分のない環境だ」

とはいえ、需給両サイドには課題も多く、産業全体の効率化が急がれている。作業員側には周期的な未稼働期間や権益保障体制の不備といった問題があり、一方の雇用側は部分的な人手不足や管理面での混乱、コスト高騰、共同作業の効率低下などに頭を痛めているという。

求人には安定した需要があると周氏は考えている。魚泡網のアプリでは建設業ユーザーの仲介サービスにおいて、職種と作業員の高精度マッチングやスマートレコメンドを実現した。その高いマッチング効率によりプラットフォームは大量のユーザーを獲得し、ユーザートラフィックを活用してユーザー、職種、履歴書などのデータベースや、建設作業員の全キャリア評価システムを構築することができた。

魚泡網アプリ

雇用者向けには記帳や工事記録カメラ、工事共同管理、労災保険、中古機械の取引やレンタルのマッチングなど一連のSaaS製品をリリースしている。勤怠計算や給与記録、工事共同管理をオンライン化して、企業のコスト削減と効率化を後押しし、産業全体の運営効率向上に貢献している。主要データはクラウドに保存され、改ざんが不可能なため、証拠保全の点でも強化されており、労使双方の法的権益が十分に保護される。

現在、魚泡網はターゲットを絞った配信を行うことで積極的に個人と法人ユーザーの獲得を行っている。主な収益源は求人業務による個人および法人からの収入と、職種ランキングの広告収入だ。今後SaaSの改良とデータ蓄積が進むにつれて、サブスクリプションやリピート利用が売上高と新規ユーザー獲得における主要な成長分野になるとみられる。

技能職に特化した人材サービスの分野では、大手クラシファイドサイトの「58同城(58.com)」「趕集網(ganji.com)」などが垂直分野へ手を広げているほか、魚泡網や「吉工家(Jigongjia)」など専門分野に特化したサイトも事業の拡大を続けている。業界内の競争について周氏は次のように語っている。「技術職人材、特に建設作業の分野は長期的に安定した巨大市場だ。魚泡網のプラットフォームは強力なネットワーク効果があり、安定需要のある求人から始めて、ユーザーが抱える問題の解決まで引き受ける、最適なルートとなっている」

鐘鼎資本のパートナー尹軍平氏は次のように述べている。「魚泡網は創業から4年で2000万人以上のユーザーを獲得してきた。プラットフォームメカニズムやアルゴリズムによりユーザー像を的確に描き、量と精度でマッチング効率を大幅に向上させ、大きな社会的価値を生み出した。すでに建設業界から他の技能分野への拡大も進めており、2億人以上のブルーカラーユーザーを抱える産業プラットフォームとなり得るチャンスもある。標準化しやすい一部の職種では自動で割り当てを行うクローズドループを構築する見込みもある」
(翻訳・畠中裕子)

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