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Instagram(インスタグラム)で、10代ユーザーの流出が加速している。同社が発表した内部資料を海外メディアが報じた。とくに13〜15歳のユーザーが類似のプラットフォームへ乗り換える動きが顕著だという。
Instagramのグローバルユーザーは2018年に10億人を突破。写真や動画の共有機能が10代の若者に受けた。しかし、その若年ユーザーの減少が徐々に深刻な課題となった。昨年10月の社内向けの戦略備忘録には、10代の米国人ユーザーを失えばインスタグラムは足場を失うと記されている。
同社は2018年からグローバル市場での年間マーケティング予算の多くを10代ユーザー対策に使ってきた。チャネルは主にデジタル広告だ。マーケティング従事者によると、特定の狭い年齢層に絞ったこのようなマーケティングは普通ではないという。最終的な支出の対象は10代だけでなく、その親世代なども含まれた。
Instagramは2012年にメタ・プラットフォームズ(当時:フェイスブック)に10億ドル(約1100億円)で買収された。これはInstagramのいかなる失策もフェイスブックに不可逆的に影響を及ぼすようになったということだ。フェイスブックはユーザーの年齢層が高くなってきており、Instagramを経由してより多くの若年ユーザーを取り込む意図があった。確かにInstagramは買収当時、10代の若者の間で高いステータスを持っており、彼らが友人と生活の一場面をシェアし、あるいはインフルエンサーとなることで、プラットフォームに質の高い写真を提供してきた。しかしショート動画アプリのTikTokや、友人間でより手軽に写真を共有できるSnapchatが成長したことにより、Instagramの主力ユーザーの多くが流れていってしまった。
米国の統計データサイトによると、今年9月10日時点でInstagramのユーザーは13億8600万人で、世界4位のSNSだ。上位3位はユーザー数28億5300万人のフェイスブック、22億9100万人のYouTube、16億人のWhatsAppとなっている。6〜8位には中国発のWeChat、TikTok、QQがランクインしており、ユーザー数はWeChatが12億4200万人、TikTokが7億3200万人、QQが6億600万人だ。Snapchatは10位圏外で、ユーザー数は5億1400万人だ。同データではインスタグラムの月間アクティブユーザーは10億人、デイリーアクティブユーザーは5億人となっている。
しかし、米金融ファームPiper Sandlerが米国の10代の若者を対象に今年行った調査では、好きなSNSとして最も名前が挙がったのがSnapchatで、回答者の35%を占めた。TikTokと回答したのは30%で2位、Instagramは22%で3位だった。
Instagramの上層部は9月の社内会議でデータを詳細に研究し、コロナ禍以降続いていた新規10代ユーザーの増加傾向に歯止めがかかり、彼らの1日あたりの利用時間も減少していることがわかった。10代ユーザーは成人ユーザーのおよそ倍に当たる1日平均3〜4時間をInstagramに費やしており、彼らに頼り切っていた運営側にとっては悩ましい状況だ。
メタの創業者マーク・ザッカーバーグ氏は2013年、30億ドル(約3400億円)でSnapchat買収を試みたが、断られている。これがInstagramにより多くの負荷をかけた。2016年にはSnapchatを真似て新機能「ストーリーズ」を追加した。投稿した画像や動画が24時間後に消失する機能だ。
2018年9月、Instagramの創業者ケビン・シストロム氏とマイク・クリーガー氏はザッカーバーグ氏と意見が割れて退社。フェイスブックのプロダクトマネジメントを長年担当してきたアダム・モッセーリ氏がインスタグラムの責任者となった。
その後、Instagramはグローバル・マーケティングの予算を増やしている。内部資料によると、2018年には6720万ドル(約76億円)だった予算は2019年には1億2700万ドル(約140億円)に、2021年には3億9000万ドル(約440億円)となっている。昨年9月のマーケティング計画書では、そのデイリーアクティブユーザーは前年同期比で約24%増えたが、10代ユーザーに関する指標は下がり始めている。彼らにとって友人と情報交換するために最も使いたいアプリはSnapchatであり、動画アプリではTik TokがYouTubeと10代ユーザーの奪い合いを繰り広げている。
同年10月、同社の2021年のマーケティング戦略を記した文書では、Instagramから他アプリに乗り換える13〜44歳のユーザーの乗り換え先はいずれもYouTubeとTikTokが多くを占め、10代に限ればSnapchatが多くなっている。
作者:WeChat公式アカウント「財経塗鴉(ID:caijingtuya)」、劉小七
(翻訳・愛玉)
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