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中国の動画配信大手「ビリビリ動画(bilibili)」は17日、2021年第3四半期(7~9月)の財務報告書(未監査)を発表した。売上高は、前年同期比61%増の52億1000万元(約930億円)だった。
月間アクティブユーザーは平均2億6700万人、デイリーアクティブユーザーは平均7200万人で、いずれも前年同期から35%増加している。月間課金ユーザーは59%増の平均2400万人で、課金率は8.9%に上昇した。
今四半期はビリビリコミュニティーの活性度と定着率に向上が見られた。財務報告書によると、1日当たりのユーザー利用時間が88分に増加し、過去最高を記録した。1日の動画再生回数は前年同期比77%増の23億回、月平均インタラクションは86%増の102億回となった。
100問の入会試験をパスした正会員数は、前年同期比38%増の1億3000万人となり、12カ月目における継続率は80%を超えている。
PUGV(Professional User Generated Video:プロ並の完成度を持つ一般ユーザー制作の動画)の再生回数がプラットフォーム全体の93%を占めた。月に1回以上動画を配信した投稿者は前年同期比61%増の平均270万人、動画の月間平均投稿数は80%増加して1000万本を突破した。
1万人以上のフォロワーを抱える投稿者は前年同期比42%増加した。9月末日時点で、投稿者の収益化をサポートする「クリエイター奨励プログラム」に48万人以上の投稿者が参加したほか、10月29日には「投稿者著作権保護プログラム」が始動し、個人クリエイター向けに複数プラットフォームをまたいで著作権侵害コンテンツを検出する機能などが提供されている。
OGV(Occupationally Generated Video:映像プロダクション制作の動画)の分野では今年下半期に入り、国産アニメを立て続けに放映。夏には自社制作のバラエティーやドキュメンタリーなども配信した。これらのコンテンツがPUGVコミュニティーの音楽やダンス、ライフスタイルなど関連カテゴリの成長をけん引した。
ビリビリ動画は11月13日、初のドキュメンタリー作品発表会を開催し、人気作品「人生一串(The Story of Chuaner)」や「但是還有書籍(And Yet The Books)」の続編を含む21作品を発表した。また、BBCやディスカバリーなどの海外メディアとも提携して大自然を扱ったドキュメンタリー作品を複数制作しており、間もなく「決勝荒野3(邦題:大脱出!サバイバルレース)」などが放映される。
これらOGVの後押しもあって、9月末日時点の有料会員数は前年同期比42%増の1820万人に達した。
ゲーム事業の売上高は、前年同期比9%増の14億元(約250億円)だった。独占代理契約を結んだゲーム3タイトルをリリースしたほか、9月には「Fate/Grand Order」の5周年記念イベントを開催した。またタイアップ活動を展開しているモバイル版「リーグ・オブ・レジェンド」や「ハリー・ポッター:魔法の覚醒」も広くプレーヤーたちの注目を集めた。ビリビリ動画はすでに、独占代理権を持つゲーム9タイトルの「版号」(中国政府が発行する認可番号)を取得し、今後の配信に備えている。
ライブ配信などを含む付加価値サービス事業の売上高は、前年同期比95%増の19億1000万元(約340億円)だった。ビリビリ動画はリーグ・オブ・レジェンド世界大会決勝の独占放映権を持っており、ライブ配信の最高同時接続数が前年同期から160%以上伸びたうえ、関連動画の投稿数も150%以上増加した。
広告事業も好調で、売上高は前年同期比110%増の11億7000万元(約210億円)となった。広告主の業種別ではゲーム、コスメ、EC、家電・電子機器、食品などが売上高の上位を占めた。ECおよびその他の事業の売上高は78%増の7億3000万元(約130億円)だった。
9月末日時点で、同社が保有する現金および現金同等物は244億元(約4400億円)だった。ストックオプションやM&Aによる無形資産の売却費用、所得税および上場企業への投資における公正価値変動による損益を除外したNon-GAAPベースの純損失額は16億2000万元(約290億円)だった。
財務報告書では、今年第4四半期の売上高を57~58億元(約1020~1040億円)と予想している。
(翻訳・畠中裕子)
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