WeGameとSteamが真っ向勝負、中国ゲーム業界最前線

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WeGameとSteamが真っ向勝負、中国ゲーム業界最前線

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11月28日、Weibo(微博)ゲームの公式アカウントが「Steam China、上海浦東に設立」と発表した。中国ゲーム界が長く期待していたゲームプラットフォーム「中国版Steam」がついに現実のものとなったのだ。

SteamはアメリカのValve Software(代表作「ハーフライフ」「DOTA 2」「CS:GO」等)のゲームプラットフォームで、2002年にローンチされて以来、数万種類のゲームを配信、運営する、世界最大の総合デジタル配信プラットフォームの一つだ。

今年6月には、中国のゲーム会社「完美世界(Perfect World)」の子会社「完美世界征奇(Perfect World Zhengqi)」がValve社との契約(完美世界はValve社のゲームの中国地区エージェント)に基づき、「Steam China」プロジェクトを開始すると発表。このプロジェクトにより中国のゲームユーザーやデベロッパーはSteamの大量のゲームやエンタテイメント商品にアクセスできると期待されていた。

ユーザーがValve社のCEO・Gabe Newell氏をコラージュ (画像はウェブサイトより)

テンセント&WeGame、完美世界&Valveの対決に?

中国のゲーム業界は徐々に寡占に近づいており、数社の有力ゲーム会社がパイを分け合っている状態だ。リーディング企業のテンセント(騰訊)も健在だ。

TGP(Tencent Games Platform)は昨年9月にアップグレードされて、正式名称も「WeGame」に変更された。そして、世界中のデベロッパーと国内のユーザーにワンストップ・ゲームサービスを提供する「中国のSteam」を目指している。

しかし6月には、大作「モンスターハンター・ワールド」が、「ゲームコンテンツの一部が規制の要件を満たしていない」ことを理由に、リリースからわずか6日で配信中止及び販売停止に追い込まれた。この一件は完美世界の「Stream China」プロジェクトを期待するプレイヤーにはショッキングな出来事だった。

ネチズンたちはニュースに対し懐疑的だ

中国ゲーム業界特有のハードル

中国のゲームプラットフォームでは、テンセントがWeGameを展開し、完美世界はValveと組んだほか、網易(ネットイース)がアメリカのブリザード・エンターテイメント(代表作:「World of Warcraft」「オーバーウォッチ」)と提携しており、将来はこの三陣営で市場を取り合うことになりそうだ。

eスポーツやモバイルゲームの人気でゲームユーザーの数は飛躍的に増加し続けているが、中国ゲーム業界の環境は未成熟でコンテンツの管理制度も整っていない。今年3月、政府関連部門は国内オンラインゲームの登録申請を停止し、一部のメーカーは海外限定販売や完全配信停止など厳しい対応を迫られた。

ウェイボーのSteam Chinaのページにはまだ投稿がない

Steamは”救世主”になるのか?

WeGameの状況を踏まえて、Steam Chinaにはリージョンロックがかけられ、中国市場にカスタマイズされたコンテンツとなるのではないか、と関係者は見ている。

一方で、今年9月、わずか5人のスタッフで運営するゲーム制作会社「螺舟工作室(Conch Ship Game)」が発表した「太吾絵巻(The Scroll of Taiwu)」も登録申請の問題でWeGameでの配信ができず、Steamで公開することになった。すると、わずか数日で大ヒットゲーム「PlayerUnknown’s Battlegrounds」を抜いてSteam人気ゲームのトップに躍り出た。中国ゲーム史上初の出来事だ。

ゲーム開発大国として、業界やユーザーから認められる優れた作品と、それに対する相応のリスペクトが中国ゲーム業界には必要とされている。2019年の中国ゲーム市場は新しい局面を迎えることになるだろう。

(翻訳・神江乃緒)

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