バイトダンス、ゲームや教育部門が大規模なリストラ 新分野の投資強化も並行

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バイトダンス、ゲームや教育部門が大規模なリストラ 新分野の投資強化も並行

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TikTokなど運営する中国バイトダンス(字節跳動)は世界で最速の成長を遂げたインターネット企業だが、最近はリストラのニュースが相次いでいる。10月19日には「バイトダンスのリストラ」というトピックが、SNS「微博(Weibo)」で検索ワードのトレンドに入った。

バイトダンスの従業員が複数のソーシャルメディア上で、同社傘下のゲームプラットフォーム「Ohayoo」の全部門で新卒入社の社員がリストラされたことを明らかにした。Ohayooに加え、バイトダンスは「朝夕光年(Nuverse)」「Aoligame」「Pixmain」の4つのゲームプラットフォームを持っているが、Ohayooはゲーム市場に最初に進出した重要なプラットフォームで、「ヒーローズコンバット(我功夫特牛)」「我的小家(My Home)」などの人気タイトルはダウンロード数が1000万回を突破している。

バイトダンス傘下の事業化部門の温州直営センターでもリストラの動きがある。このセンターでは、ショート動画アプリ「抖音(Douyin)」、ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」など人気が高いアプリの広告販売業務を担当している。また一部の事業化を目指すイノベーションの先行テストを行う役割も担っている。

昨年末からバイトダンスは新規事業化の営業体制を調整している。KA(Key Account:全国レベルの大口顧客)、LA(Large Account:大口顧客)、SMB(Small and Medium Business:中小企業)向けの3つの事業部門を統合し、新たに7つの事業部門に分割した。

8月には政策の引き締めの影響によって、傘下の教育ブランド「大力教育(Dali Education)」でリストラの情報が流れた。この時点ではバイトダンスが教育ビジネスを本格的に始動させてから1年も経っていなかった。さらに11月24日、ビジネスメディア「晩点LatePost」によると、11月でも約2000人の従業員がリストラされるという。

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リストラと同時に事業拡張

しかしバイトダンスは事業拡大にも意欲的だ。一部の業務に関わる人員を削減する一方で、事業拡大の野心を持っており、複数の業界で事業を拡大している。

企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、バイトダンスのグループ企業272社はこれまでに381件の投資を行っている。同社の戦略投資部が公開した投資案件は183件、未公開案件は10件に達し、対象領域はエンタメ・メディア、企業向けサービス、ゲーム、飲食、先進的な製造、医療・ヘルスケア、AI、ECなど多岐に渡る。

今年1月以降、同社はロボット開発を手掛ける「盈合機器人(Infore Robot)」「迦智科技(IPLUS MOBOT)」「未来機器人(VisionNav Robotics)」などに投資を行い、ロボットとスマートマニュファクチャリング領域に注力している。

8月には中国のVR機器メーカー「Pico Technology(小鳥看看科技)」を90億元(約1610億円)で買収したことが業界の注目を集めており、これは最近話題になっているインターネット上の仮想空間「メタバース」分野への積極的な進出を意味している。

9月にはオンライン医療プラットフォーム「好心情(Haoxinqing)」へ投資を行ったほか、完全子会社「小荷健康(Xiaohe Health Technology)」を通じて「美中宜和(Amcare Healthcare)」「宏達愛瑞(Hongda Airui)」の2つの医療サービス企業へ投資を行い、オンライン医療分野での地位を固めつつある。

10月には「雲脈芯聯(Yunsilicon)」「光舟半導体(Optiark)」の2つの半導体企業へ投資を行い、この投資によって半導体分野での遅れを取り戻そうとしている。

不動産分野では9月末に完全子会社「北京好房有幸信息科技」を通じて、「北京麦田房産(Beijing Maitian Real estate)」の子会社である「北京福旺房地産経紀」を買収し、傘下の不動産情報プラットフォーム「幸福里」をベースに不動産分野への進出を強化した。

またデジタル技術、OMOなどによる新消費もバイトダンスが注力している分野だ。健康食品ブランド「鯊魚菲特(Sharkfit)」、生鮮食品小売チェーン「懶熊火鍋(Lazy Bear Hot Pot)」、酒造メーカー「厚雪酒業」、ドリンクブランド「檸季(Ningji)」、新興コーヒーブランド「Manner Coffee」など多くの新消費ブランドへ投資を行っている。

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業界関係者によるとバイトダンスは企業の規模が大きくなるにつれて、トラフィックが頭打ちになるという苦境に直面している。インターネット業界の先達であるテンセントやアリババのように新しい成長事業を見つけるために、あらゆる分野での事業拡張を計画している。

作者:雷達財経(WeChat ID:leidacj)
(翻訳・普洱)

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