ハゲる恐怖に包まれる若者たち、悩む女性も急増中

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近ごろ、ウェイボー(微博)などのソーシャルメディアで、年齢や職業を問わず「薄毛が進んでいる、ハゲるかもしれない」と恐怖を語る人が目立つ。現代社会では確かに薄毛の原因となるストレスが多い。悩みを打ち明ける女性も多くなった。実際に、2017年下半期から女性患者が増え始め、植毛クリニックの患者の男女比は過去の7対3から現在は6対4になった。

1人当たりの消費単価が2万5000元(約40万円)以上、4分の1が百度(バイドゥ)の広告に貢献

薄毛の悩みを共有する男女にとって、植毛医療に関する話題はホットトピックとなっている。植毛を宣伝する広告は地下鉄からウェイボー、Tik Tok までオンラインからオフラインと至るところで見かける。

植毛は頭髪の薄毛対策に限らない。髪の生え際や眉毛、睫毛など美容医療としての需要も増えた。植毛医療や毛髪美容製品の主な消費者は90年代生まれの世代であり、ニーズが長く継続する可能性が高いため、プライベートエクイティ(PE)が台頭に目を付けた。2017年下半期に植毛医療大手の「雍禾植髪(Yonghe Hair Transplant)」が投資ファンド「中信産業投資基金」から約3億元(約48億円)の出資を受けたと発表し、同社の評価額は資金調達後に5億元(約80億円)となった。また、2018年初に、植毛大手「碧莲盛植髪(LOTUS)」が投資ファンド「華蓋醫療基金」から5億元(約80億円)の出資を受けた。

市場調査の「Market Research Future」によると、全世界での植毛市場は2023年に238億8000万ドル(約2.7兆円)に達する見通し。中国の植毛市場は2017年に97億元(約150億円)規模に膨れあがっており、投資家は参入チャンスを虎視眈々と窺っている。

植毛医療は1939年に日本の皮膚科医師が医学誌に植毛技術を発表したのが始まりだが、1995年に米国の医学博士Robert M.Bernstein氏によって自毛植毛法(FUT)が開発され、標準治療法となった。中国市場に導入されたのは20年前で、まだ発展途上の段階。医療設備や技術ともに国際レベルに満たない施設も多い。

植毛医療機関に潜入取材

自毛植毛は、後頭部や側頭部にある毛髪を薄くなった生え際や頭頂部へ移植する手術で、なくなった髪を蘇らせるわけではない。実際には髪の毛を移植するわけではなく、髪の毛を作りだす細胞組織ごと「株」という単位で移植する。移植する部分の健康状態によって植毛後の定着率が異なるため、あらかじめ、担当医師と移植株数や定着率を確認し合い、手術に臨む。効果が得られない場合は費用の一部が返金されるシステムだ。

Norwoode引用/Hamilton(1975年) 脱毛型7ー12

頭髪の植毛手術費用は10〜20元/株、もみあげや睫毛などは部位によって10000〜36000元(約16〜57万円)と医療機関によりばらつきがある。11月中旬、北京市の雍禾植髪で許明杰さん(40代)が生え際のM字と頭頂部に3500株を移植するFUE手術を受けた。手術はおよそ9時間かかり、費用は約4万元(約64万円)だった。

現在、植毛分野に従事する医師数千人のうち、実際に手術ができる執刀医は10分の1にも満たないと「中徳毛髪移植整形」の徐霞院長は語る。基準に満たない医療施設が乱立し、医療ミスが多発しているという。ある女性が2000株採取されたのち、47〜48本しか植えられなかったというケースもある。一般的に1株から1〜4本の髪の毛が生えており、株数は平均毛髪量10万本を遥かに下回るため、下手な施術で無駄遣いすることは避けたい。また、広範囲に移植する場合、自然髪密度にするためには1回の手術では難しい。移植資源となる細胞組織の健康状態が重要で、1回の手術で定着率が50〜70%に達せば理想的とも言える。バランスを見ながら2〜3度と続けてしまう人もいるという。

(翻訳・桜田一美)

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