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AIや自動運転技術を開発する「西井科技(Westwell)」が11月6日、上海で開催した製品発表会で、世界初となる複数シーンに対応した無人運転車両プラットフォーム「Qomolo ONE」を発表した。Qomolo ONEはユーザーの利用シーンに応じて、レゴブロックのようにモジュールを組み替えることでさまざまな車種に姿を変える。
発表会では、まずQomolo ONEが無人運転の物流トラックとして登場。その後わずか6分間で、全長14メートルの無人運転バスに変身した。「運転席のない車両」というコンセプトのもとモジュール化を徹底し、互換性と拡張性を持つ車両プラットフォームにすることで、カスタマイズ可能な「多機能の無人運転車両プラットフォーム」を実現した。
西井科技の無人運転パートナー孫作雷博士によると、設計の初期段階から荷物と人の両方を運ぶことに狙いを定めていたという。スライド式で車体をスピーディーに載せ替える方法を採用したことで、柔軟な組み合わせやアップデート可能なモジュール化が実現した。
西井科技はオープンなイノベーション・エコシステムを構築し、ユーザーニーズに応じて提携先が設計や生産をカスタマイズできるようにした。将来的には特殊消防車、鉱石輸送トラック、モバイルオフィスカーなど、さまざまな状況下における無人作業に応用することも可能となる。
Qomolo ONEの車体は航空機にも使われる軽量アルミニウム合金を採用し、LEDインタラクティブパネルが車両の意思決定やステータス情報をリアルタイムに表示する。次世代のセンサ・フュージョンを採用し、独自開発した高精度の長視距離デュアルカメラ、LiDAR、ミリ波レーダーなど多くのセンサーを搭載して、360度全方位の状況を感知することができる。
超高速インテリジェント経路計画やV2X技術による路車協調システムにより、Qomolo ONEは極めて正確な無人運転が可能。しかもミリメートルレベルの精度で位置特定を行うため、1回で所定の位置に停車できるほか、自動充電や自動荷下ろしなどにも対応している。
車体は防水性、防塵性、防振性を備え、酷暑や極寒の環境下でも作動する。定格出力150kW、ピーク出力250kW、最大けん引力は70トンで、ステアリングは1軸・2軸に対応。注目に値するのは、ほとんどの利用シーンをカバーできる最高速度85km/hを実現したことだ。これまで低速シーンに応用が限られていた西井科技にとっては大きな進展と言える。
フレームにアルミ合金を採用しバッテリーで駆動するQomolo ONEは、製品の全ライフサイクルにおける二酸化炭素排出量が従来のディーゼル車の半分に抑えられている。メインおよびサブのバッテリーシステムは1時間でフル充電できるほか、サブバッテリーは所要時間6分のクイック交換が可能になっており、航続距離は200km以上を実現した。
西井科技は今年に入り、政府のカーボンニュートラル政策に呼応する形で、産業の川上・川下企業との連携を模索しており、ブロックチェーン技術の開発企業「趣鏈科技(Qulian Technology)」やグリーンエネルギー事業を展開する「協鑫能科(GCL-ET)」などと商業化の可能性を探っている。
発表会では、特定用途の無人車両向けバッテリー交換事業を世界の4カ国で同時に開始することも公表された。今後のQomoloシリーズは全て、充電・交換・エネルギーアップグレードが可能な新エネルギー電池を採用する。
これまで、バッテリー交換事業と言えば乗用車が中心で、産業分野での試みは少なかった。無人運転車Qomoloシリーズのクイック充電、バッテリー交換モデルは、車両コストや長い充電時間、バッテリー劣化など業界が抱える多くの問題を解決できると期待されており、車両維持費を抑えつつ無人運転車の運用効率を上げ、産業全体のエコロジーな発展につながるとみられる。
(翻訳・畠中裕子)
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