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就職活動する多くの若者が仕事の意義を意識するようになり、企業は未曾有の人材流出に直面している。そこで「我斜杠(/me)」は、企業が時代の変化に対応できるように、コンサルティングやソフトウェアを提供している。
時代のニーズあり
我斜杠の創業者の小飛氏によると、1990年代生まれの「90後」と1980年代生まれの「80後」では仕事の捉え方に顕著な違いがあるという。後者が仕事を生計の手段と考える一方、前者は仕事の価値を重視する。新卒の「80後」がこぞって入社を希望した外資系企業が、近年ではファーウェイ(華為技術)やテンセント(騰訊)の人気に押されている。若者が求めるのはクリエイティブな環境であり、変化に乏しい仕事ではない。欧州諸国ではすでにこうした流れを辿ってきた。経験主義やルールに縛られることを嫌い、多くの若者がベンチャー企業を選ぶ。
ほとんどの企業はこの傾向に適応できず、人材管理に行き詰まり始めている。そのような自動車、新小売り、ベンチャー、教育関連産業に対して、我斜杠はサービスを提供してきた。
例えば、自動車業界は自動運転など次世代技術への対応を迫られ、一部の企業はIoT化を進めている。事業転換が急務となる中、IT業界からスカウトした人材が、環境の変化に馴染めずに離職してしまうことがある。そこで、我斜杠は、組織構造や管理形態の革新をサポートする。
一方、ベンチャー企業は規模が50名ほどに達した時、人材管理や就業規則の制定、新規部門の設立といった課題に直面する。このようなベンチャー企業に対して、我斜杠は、競争力を維持しながら組織を成長させるべくサポートする。
我斜杠の解決策
我斜杠の主な収益源は役員の能力開発、コンサルティング、参加体験型グループ教育だが、いずれも同社のソフト開発を支えるための事業だ、と小飛氏は語る。
例えば、オンライン講座。過去3年間はBtoB事業として展開していたが、役員の能力開発には限界があった。一方で、セミナーやワークショップへの個人参加者が急速に増えたことで、同社はBtoCへと梶を切った。オンライン講座の初期には企業参加者がほとんどだったのが、今では50%を個人が占める。オンライン講座を受講して個人の管理能力を向上させ、自己意識を高めることは、組織全体の前進に繋がる。
また、独自開発した共同作業用ソフトウェアでは、アリババの企業向けアプリ「釘釘(Ding Talk)」と同様に、オンラインでメンバーが情報を共有し、共同で作業できる。ただし、釘釘のように権力集中型のピラミッド構造の企業を対象にはしていないので、我斜杠の共同作業アプリを導入する企業は組織の構造やプロセスを必然的に大きく変えることになる。社員の所属部門や役割を固定させず、流動性を持たせることで活躍範囲を広げ、トップに集中していた最終権限をプロジェクトごとに分散するのだ。
(翻訳・桜田一美)
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