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中国の二大ショート動画アプリ「抖音(Douyin、中国版TikTok)」と「快手(Kuaishou)」が、ショートドラマコンテンツの視聴数の激増に伴い、収益化を模索している。快手が先に有料モデルをスタートしたのに続き、抖音も試験的に同様のモデルを始めた。抖音の運営元バイトダンス(字節跳動)は先に別の短編動画アプリ「西瓜視頻(Xigua Video)」で会員向けサービスを始めており、同社が動画コンテンツの有料化を試みるのは今回が2回目だ。
テスト画面からみると、抖音のショートドラマの課金方法はネット小説と同様、1話ごとの支払いだ。料金は1話1元(約18円)からで、全話分を一括で支払えばシリーズ「一気見」もできる。料金を支払ったコンテンツは無期限で繰り返し視聴できる。現段階では、視聴者数を増やすために最初の数話分を無料で視聴可能にし、最新話を有料にするパターンが多い。
抖音ではショートドラマコンテンツが目に触れる機会を増やすためにアプリのホーム画面に独立したメニューを設けた。ホーム画面のほかに検索機能と製作者のプロフィール画面という合計3つの入口を設け、ショートドラマコンテンツに誘導する戦略が取られている。
ショートドラマではコンテンツを有料化し、製作者と再生回数に応じた収益分配をする以外に、製作者から宣伝費用を徴収することで収益を得ていく。また、EC機能と連携してライブ配信で商品を販売することでも収益を得る。
中国では2019年、短編動画の視聴時間が初めて長編動画を超えた。短編動画は一つの娯楽方式として今後ますます長編動画とユーザーの視聴時間を奪い合うことになるだろう。短編動画プラットフォームが従来のショートムービーとショートドラマの2本立てコンテンツで展開し、さらに有料化も探るとなると、現在も多額の資金を投じて事業を維持し、なお赤字が続いている「YOUKU(優酷)」「iQIYI(愛奇芸)」「テンセントビデオ(騰訊視頻)」のような大手動画共有サイトは必然的に大きなプレッシャーを受けることになる。
ショートドラマが急激に人気となったのは視聴時間が短く、ストーリー展開で視聴者を待たせ過ぎないこと以外に、撮影期間が基本的に10日以内と短いこと、製作費も多くが数十万元(数百万円)で済むことから、低コストでコンテンツを大量生産して市場を切り開いた点にある。
また、ショートドラマには多くの視聴者がいる。抖音のショートドラマの人気ランキングをみると、いずれも累計再生回数が1億回を超えている。快手では2500本のショートドラマが再生回数1億回を突破しており、年齢層を問わずドラマコンテンツの新形態となっている。
ショートドラマのブレイクに伴い、これを積極的に後押ししてきた抖音や快手は、さらに多くのユーザーを獲得した。「2021年 快手のショートドラマに関するデータ報告」によると、昨年11月から今年4月にかけて、快手のショートドラマの視聴者は増え続けており、4月のデイリーアクティブユーザー(DAU)数は平均2億1000万人台で、半年で8.0%増えた。抖音はデータを公表していないが、業界関係者の推測では抖音のショートドラマのDAUも決して快手に負けてはいない。
快手も抖音も急成長中のショートドラマを通じて、アクセス増や収益化につながる新たなパスワードを手に入れたいのだろう。
(翻訳・愛玉)
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