HIKKY・Mogura・テンセントが対談。専門家から見る日中メタバース最前線

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HIKKY・Mogura・テンセントが対談。専門家から見る日中メタバース最前線

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2021年10月末にFacebookが社名を「Meta」に変更したことで話題となり、インターネット上の巨大な仮想空間「メタバース」への関心がますます高まっている。

メタバース元年とも言われるなか、新たに誕生した経済圏に未来を託そうと世界中のテクノロジー企業の動きが活発化しているのは言うまでもないことだ。

SNSとゲームの巨人であるテンセントは、長年蓄積してきた技術やノウハウを活用し、自社開発・投資などさまざまなルートを通じて、VR/AR、クラウドレンダリングなど多分野で支援している。

一方、日本企業もゲームをはじめ、VR/ARコンテンツ開発、バーチャルアイドルなどの領域に注力する動きが見られる。

今回テンセントクラウド主催で開催されたセミナー「日中メタバース最前線~ビジネスの観点から見る展望」では、メタバース分野で最注目の日中企業を招いて、講演とパネルディスカッションを行った。

技術面でメタバースをサポートするテンセント

まず前半の講演では、テンセントクラウドのビデオ事業部プロダクトディレクター黄斌氏より、同社が考えるメタバースの概念と関連するソリューションを紹介した。

同社のオーディオ・ビデオの技術は、SNS、エンタメ、ゲーム 、オンライン教育・金融サービス・オンライン会議・オンライン医療、公共事業など多くのシーンに展開されている。

具体例としては、カラオケボックスにいるような感覚で複数人同時に歌うことができるオンラインカラオケ、中国全土で既に50〜60%浸透しているライブコマース、コロナ禍によるオンライン会議の普及など多岐にわたる。いずれも大人数がリアルタイムで参加でき、オンラインでもリアルと変わらない一体感を生み出す必要があるため、それぞれのシーンで共通して最も重要視されるのが低遅延の技術であり、その技術力がテンセントの強みだ。

そして低遅延を実現したうえで、さらにテンセントは多種多様な機能をモジュール化して提供することによって、顧客は欲しい機能だけを選びカスタマイズして利用することが出来る。それにより中国銀行のような超大手企業から、新興モバイルアプリまで多くの業界の顧客との実績がある。

また、中国では人気SNSやメディアの出現により、コンテンツを使ったマーケティングが主流だ。そうした動画コンテンツ制作を支援するツールとして、「雲創マルチメディアエンジン」が紹介された。これはコンテンツの企画から配信までを全てオンライン上の共同作業とすることで業務の効率化を図るツールだ。作業者がまるで同じ場所にいるようなスムーズな環境が提供されるだけでなく、オンラインだからこそAIなどの先進技術を使うことができ、最後には人気プラットフォームにワンクリックで配信も可能だ。

このようにメタバースを背景として、テンセントは誰でも使いやすく安定したソリューションを多数提供しており、高い技術力で日本の各業界の成長を後押しし、共に事業を拡大していきたいという。

テンセントクラウド黄氏による同社技術の紹介

国境を超えてメタバースを盛り上げる

後半のパネルディスカッションでは、三井物産株式会社トランスリージョナルマネージャーの押尾太一氏がモデレータを務め、世界最大のVRイベントとVR開発エンジンなどを提供する株式会社HIKKYのCSO角田拓志氏、AR/VR/アバター(VTuber等)領域に特化したメディアを運営する株式会社Mogura代表取締役の久保田瞬氏、テンセントジャパンからはCloud Head of Solutionアーキテクトの付昂氏の4名が登壇し、各社の取り組みとビジネスの観点から見た日中メタバースの展望について熱く議論を繰り広げた。

「アバター」姿で登場した三井物産の押尾太一氏

例えば、一般ユーザーにとってバーチャル空間への敷居の高さについて、角田氏は、過去に比べてかなりハードルが下がっている、と述べた。バーチャルヘッドセットは数十万円だったものが今では数万円になり、インフラでは5Gになったことでアクセスもしやすくなり、さらにブラウザでワンクリックで入れるようになっているものが多いという。

それに対して、久保田氏は、認知度にフォーカスしながら違う角度からの意見を述べている。一般的にバーチャルはゲームっぽいという先入観を持たれることが多いという。しかし、ゲームだけではなく、展示会、お買い物、同じ場に集まってワイワイ楽しむなど、メタバースやバーチャル空間には色々な可能性があることを広めていきたいという。バーチャル空間とはなんだろう?という一般ユーザーの初歩的な疑問に答えるには、メディアの発信力が必要だと考えているという。

続いて、メタバースの出現により、現在日常で使用しているSNS、ゲームやネットフリックスなどの従来のサービスと、これから出てくるメタバースサービスとで、時間の奪い合いになるのではないかという問いに対して、全員がノーと答えた。奪い合いになるのではなく、これまで通りにユーザーたちが使い分けるのではないかと予測しており、また、従来のSNSなどがメタバースに適合して新しい形へと進化していくのかもしれないとの議論もあった。

モバイルの登場により、私たちの生活は一変し、可処分時間という概念そのものがなくなってきているのだ。メタバースが進化するにつれて、コミュニケーションレベルもさらに進化していくと見ている。また、メタバースとデバイスの関係がとても大事である。コストと軽量化、データの保存など、課題は多いが、メタバースを支えていくのはきっとデバイスがひとつの鍵を握るとも予測した。

話題のメタバースについて、国境を超えたディスカッションはまだ世の中にも少なく非常に良い機会だったと言える。メタバースが普及すると、国境はどうなっていくのか、言葉の壁はあるものの物理的制限がなくなっていくのか、最後まで議論は尽きなかった。熱く議論した後に、早速次回のディスカッションのテーマがひとつ決まったほど、メタバースとは語り切れない未来空間であり、これからも国境を跨いでメタバースを盛り上げていきたい。

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