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中国の大手ソリッドステート型LiDARメーカー「禾賽科技(Hesai Photonics Technology)」が先月中旬、スマホ・IoT家電大手の「シャオミ(小米、Xiaomi)」から7000万ドル(約80億円)の追加出資を受けた。これにより、シリーズDでの調達額は3億7000万ドル(約420億円)に上った。
同社主力製品のPandar40PとPandar64が原因で、米LiDAR大手「Velodyne Lidar」と特許紛争が起きていた。しかし、両社はライセンス契約を結んで和解し、Hesai が両製品を中国国内で販売することが認められた。その後Hesai は今年3月に中国のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット)」でのIPO申請を行うも撤回し、今回のシリーズDで資金調達を実施した。
今回調達した資金をハイブリッドソリッドステート型LiDARの大規模量産と納入、スマート製造センターの建設および高性能の車載用LiDARチップの開発に充てるとしている。同社は以前IPO申請の中で「現在研究開発中のプロジェクトが多いため投資額が大きく、研究が失敗あるいは成果を産業化できなければ業績に影響する」と説明していた。
言い換えれば、Hesaiの成長は現在頭打ちの状態にあり、このままでは同社にとっても、投資家にとってもマイナスであるということだ。
HesaiのシリーズDには当初からシャオミが出資していた。シャオミにとって、中国の大手部品を押さえておくことは自動運転車やロボットのサプライチェーン構築に不可欠だからだ。実際、業界ではシャオミが重視するのは部品メーカーからの投資リターンではなく、投資後に川下企業との価格交渉で優位に立つことだとの分析がある。
シャオミは2019年、中国の新興EV(電気自動車)メーカー「小鵬汽車(Xpeng、シャオペン)」に出資。その後ビデオ監視とエッジコンピューティング技術開発を行うチップ設計の「晶視智能(CVITEK)」にも出資している。同社はAI向けプロセッサのTPUコアおよび各種機能をSoC(システムオンチップ)に統合する技術が強みだ。
シャオミは今年8月、中国の自動運転ソリューション企業「DeepMotion」を買収。投資を通じて自動運転車やロボットの製造体制を万全なものにしていると言える。
しかし、新エネルギー車の製造は標準化が進みハードルが下がったため、自動車のスマート化、モーター、電池性能を中心に競争が繰り広げられている。シャオミは犬型ロボット「CyberDog」の発表時に、自主開発したモーターの成果を発表した。従ってシャオミが新エネルギーの「三電(動力電池、駆動モーター、電気制御システム)」分野において未発表なのは、電気制御システムだけということなる。
今回さらにLiDARへ投資したことで、シャオミは23年には新エネルギー車の技術を確立し、24年上半期には自動車の販売を開始できるだろう。
作者:WeChat公式アカウント「財経塗鴉(ID:caijingtuya)」、苗正
(翻訳・二胡)
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