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中国のCNC工作機械の市場は2022年に5千億元(約8兆円)に達すると予測されるほど巨大だ。しかし、海外企業がハイエンド制御システムを独占していること、受注が不安定であること、設備稼働率が低いこと、競争激化で利益が減少していること、国内の機械加工企業の海外流出が続いていること、などの問題を抱えている。このため、業界全体が進化することが急務となっている。
機械加工業プラットフォームを運営する「智能雲科(iSESOL)」は、2015年に工作機械メーカー「瀋陽機床(SMTCL)」が「神州控股(DC Holdings)」などと共同出資して設立した会社だ。
智能雲科の機械加工業プラットフォームは、工作機械メーカーと加工工場向けにサービスを提供。設備や生産に関するデータベースから、設備の維持管理やリース、サプライチェーンファイナンスまで、産業全体をカバーする。主なサービスは、データの収集ネットワークとデータ活用に分類できる。
データの収集ネットワーク:顧客価値を高めるサービス
智能雲科の総経理、朱志浩(Zhu ZhiHao)氏の研究チームは2014年に自社開発した工作機械制御システム「i5」をリリース。同年中にi5システムを搭載した「i5インテリジェント工作機械」の販売を始めた。従来、工作機械メーカーは販売して終わりというケースが多かったが、インテリジェント工作機械では、部品の寿命を予測して故障を未然に防ぐといった付加価値サービスを提供できる。
さらに、この機能を他の多くの機器製造メーカーにも提供するために、2017年にはi5制御システムを単独でパッケージングした「i5 OS」を発表した。
同社のデータ収集ネットワーク業務はi5インテリジェント工作機械やi5 OSの標準的なポートで行い、i5非搭載の工作機械は智能雲科の「iSESOL BOX」を使用する。競合製品との大きな違いは、iSESOL BOXそのものが操作システムとエッジコンピューティングを備え、消費電力や切削加工の最適化などをアプリで行うことができる点だ。コストに見合った利便性が大きなアピールポイントになっている。
一方、加工工場向けの「iSESOL WIS」は、中小工場の情報化を助ける、軽量化クラウドMESだ。直接モバイル機器で操作できるうえに、生産状況や納期、進捗などの生産プロセス全体や、リスクなどを情報化、見える化した。
産業エコシステムへのデータ活用:データに基づいた的確なサービス
智能雲科は工業アプリ、生産能力調整、設備の維持管理、リース、サプライチェーンファイナンスなど一連の産業エコシステムサービスを提供する。
加工工場の正確な生産データを集めることで、各工場の得意分野や生産能力、必要とする設備、経営状況が明確になり、その情報に基づいて同社が顧客とサプライヤー、金融機関と中小工場などのマッチングサービスを行う。
設備メーカーに対しては、設備データに基づくリモートメンテナンスやリースなどのサービスを提供する。メーカー側は、コストの削減やビジネスモデルの刷新につなげられる。
智能雲科の公式情報によれば、iSESOLは、2018年11月時点で26省、161都市でサービスを展開しており、顧客は3000社以上だという。現在、シリーズAで億元(数十億円)単位の資金調達を準備中だ。
(翻訳・神江乃緒)
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