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業界データによると、中国の宝飾品市場は5000億元(約8兆円)を超えており、過去5年間の年平均成長率は約13%に達している。宝飾品は最も急速に成長した分野の1つだ。しかし、消費者の嗜好の変化により、デザインやスタイル、技術がますます重視されるようになってきている。
蘇州市の「函数集団(Function Group)」はこの機会をとらえて、2018年初めに海外の宝飾品を取り扱うセレクトショップブランド「美羅国際珠宝(MATRO GBJ)」を立ち上げた。米国、豪州、フランス、イタリア、カナダなど10カ国余りの15ブランドと独占販売契約を直接結び、中間業者を介さずに中国市場で販売している。
宝飾品は、デザインだけでなく材質も重要なので、商品の選別は非常に難しい。MATRO GBJが取り扱う商品には1000元(約1万6000円)程度のものから100万元(約1600万円)以上する超高級品まであり、取扱ブランドも米「Effy」、「MiloOpal」、仏「FLOWERSFORZO.E」などさまざまだ。
同社董事長の章晨氏は36Krの取材に「価格ではなく、品質とデザインを重視している。10年以上の経験を有する専門チームが国際ジュエリー展示会などに赴き、東洋人の好みにマッチするジュエリーを選ぶ」と明かしている。
宝飾品の客単価は高く、購入の意思決定は体験および試着によるところが大きい。そのため、同社はオフラインの販売ルートを特に重視しており、主要販売ルートは同社傘下の高級デパート「MATRO(美羅百貨)」だ。また、北京、上海、蘇州で体験型店舗も運営している。一方で、3000元(約4万8000円)以下の宝飾品に関してはオンライン販売を活用しており、目下、「京東(JD.com)」と「小紅書(RED)」での販売が中心。「天猫(Tmall)」や「寺庫(SECOO)」とも交渉中だという。
MATRO GBJの価格レンジは広く、顧客の年齢層もさまざまだ。加えて、顧客ターゲットも経済力のある若い消費者から中間層までと幅広い。そのため、ブランドの位置付けが難しいようにも見える。
そこでMATRO GBJは、各ブランドのランクごとにプラットフォームを使い分けている。メジャーなブランドはデパートに専門売り場を設け、マイナーブランドは一般的なジュエリーエリアで販売する。また、大手ブランドの商品は一級都市の中・高級デパートを中心に販売し、マイナーブランドの商品は二・三級都市で代理店を経由して販売している。
海外の宝飾ブランドにとって、中国は魅力的な市場だ。デンマークの「PANDORA(パンドラ)」が2018年11月に発表した財務報告書によると、中国における売上高は2017年から28%増加しており、売上総額の11%を占めるまでに成長した。
しかし、すべての海外ブランドが中国市場にスムーズに進出できるわけではない。中国での経験がないため、進出を躊躇する海外ブランドも多い。こうしたブランドにとっては、MATRO GBJは良いパートナーとなるはずだ。MATRO GBJの販売データによると、提携した有名ブランドのパフォーマンスは良好で、ブランド単体の年間販売額も数百万元(数千万円)に達している。
MATRO GBJは引き続き提携ブランドを増やしていく方針。同時に、顧客データを蓄積して分析することで、取扱商品の最適化をさらに進めていくという。
章氏は「海外の宝飾ブランドが中国に進出する際のパートナーとして優先される存在になりたい。そして、中国の女性が信頼できるインポートブランドに成長させたい」と抱負を述べている。
(翻訳・飯塚竜二)
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