スマーティザンの特許に食指を伸ばした今日頭条、狙いは教育事業のテコ入れか

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スマーティザンの特許に食指を伸ばした今日頭条、狙いは教育事業のテコ入れか

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経営危機が報じられている「スマーティザン・テクノロジー(錘子科技)」だが、最近「今日頭条(Toutiao)が買収する」という噂が業界を駆け巡った。

36Krが今日頭条に接触を試みたところ、同社はスマーティザンが所有する特許権の一部を購入する計画があることを認め、教育分野のハードウェア製品に活用することをほのめかした。ただし、現時点ではスマーティザンの株主の同意が得られていないという報道もある。

スマーティザンの買収を試みた企業として報じられたのは、今日頭条のほかに、「奇虎360(Qihoo 360 Technology)」と、スマーティザンCEO羅永浩氏の旧友である劉江峰氏。劉氏はスマートハードウェア企業「優点科技(Youdian Technology)」を創業した人物だ。しかしスマーティザンの関係者は、奇虎360による買収は「誤報」であることを認めており、劉氏も交渉はしたものの合意できなかった旨を明かしている。

わずか数カ月前、羅氏は自身が支援するメッセンジャーアプリ「子弾短信(Bullet Messaging)」の人気に意気揚々であった。しかし、同アプリのダウンロード数の伸びが失速するにつれて、スマーティザンの問題が顕在化してしまう。2018年10月から成都や上海の拠点が閉鎖され、資金不足やリストラ、羅氏のCEO解任(後に誤報と判明)など、ネガティブなニュースが連日報じられるようになった。

羅氏は前出の三者のほかに、かつてはバイドゥやファーウェイ、アリババなどにも接触していた。しかし、バイドゥとファーウェイとの交渉はすでに決裂。アリババとも金額面で折り合いがつかず、交渉は行き詰まっている状況だ。

現時点では特許権の購入額は不明であり、また、株主の同意を得られるかどうかもわからないが、今日頭条が取得を試みている特許権は、教育分野でのハードウェア製品の開発、今後の業務提携に役立つものとなるのは確かだ。しかし、具体的に何の特許なのか、どのようなハードウェア製品を開発しようとしているのかなどについては明らかにされていない。

教育分野における今日頭条の動きを振り返ると、2018年初めに「得到( DEDAO)」と「Himalaya」をミックスさせたような有料ナレッジシェアアプリ「好好学習」をローンチしている。 5月中旬には子供向けオンライン英語教育ブランド「gogokid」を立ち上げ、7月にはオンライン教育企業「学覇君(Xueba100.com)」の法人向け事業を買収した。

インターネット企業がハードウェア製品を作る理由は、一般的に2つある。ひとつは、コンシューマ向けにハードウェア製品を販売して関連コンテンツやサービスを提供しようということ。もうひとつは、法人向けにトータルソリューションを提供しようということだ。

今日頭条の「コンシューマ向けサービスは自分たちで、法人向けサービスは買収で」という行動原理に照らし合わせると、今回の特許権購入は法人向け事業の一部と考えられる。

しかし、同社がコンシューマ向け製品を作る可能性はない、と断言はできない。36Krは2018年3月、「今日頭条の内部では、マンツーマン外国語教育、子供向けプログラミング教育、会話ロボットなど多くのコンシューマ向け教育製品が孵化している」と報じた。その中で、マンツーマン外国語教育は後のgogokidにつながった。今回の特許権購入は、会話ロボットを完成させるための「最後のピース」なのかもしれない。

実際に、教育関連企業がハードウェア製品を発表したケースはある。例えば、「海風教育(HFJY.COM)」は2018年3月末にeラーニングハードウェア製品「海風智学派」を発売した。このデバイスをPC、タブレット、スマホなどに連結するとユーザーの筆記履歴が保存されるため、特に数式や幾何学など、問題を解く過程が重視される学習で役立っている。
(翻訳・飯塚竜二)

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