テジタル化が進むインドネシア、2019年には5社目のユニコーンが誕生か

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テジタル化が進むインドネシア、2019年には5社目のユニコーンが誕生か

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アジアでスタートアップエコシステムが最も活況な国はインドネシアだ。グーグルやシンガポールの投資会社テマセク・ホールディングスの予測では、2025年までに同国のデジタル経済は2018年の約3倍に当たる1000億ドル(約10兆9000億円)規模に達するとされる。この予測は、インドネシアが将来的に東南アジア最大のデジタル経済市場になるとともに、より多くのインドネシア新興企業が世界のIT業界に参入することを意味する。

数千社のスタートアップがひしめくインドネシアだが、すでに4社がユニコーンの仲間入りを果たしている。彼らを支援するインキュベーターやアクセラレーターも数多く現われた。2018年、同国ではスタートアップの資金調達は少なくとも51件が完了し、うち20件がシードラウンド、14件がシリーズA、11件がシリーズBだった。ユニコーン以外でも、スタートアップ企業が同年に調達した資金は総額2億7400億ドル(約298億円)に上る。

資金を調達した企業では、Eコマースとフィンテック関連が高い割合を占める。AIを導入したサービスやチャットボットが魅力となっているようだ。

2018年5月、同国のエデュテック分野で唯一の目玉案件となったのが、MIT Solveが出資したRuang Guru。同年8月には、自然言語処理/理解(NLP/NLU)分野でBahasa.aiとProsa.aiの2社が資金を調達した。前者にはイーストベンチャーズ、後者にはKASKUSが出資した。

ニューリテール分野も人気だ。Warung Pintarは2月と8月に合計400万ドル(約4億3500万円)を調達した。2月はイーストベンチャーズ、8月のラウンドでは、テマセク傘下のバーテックス・ベンチャーズ、同傘下のパビリオン・キャピタル、LINEベンチャーズが出資した。同社は設立以来、事業規模を3477%にまで拡大。月平均で187%増と急速に成長している。ジャカルタ大首都圏で500業者を取り込んだほか、全国の中小規模業者を取りまとめる。

主役はフィンテック企業

フィンテック、特にP2Pレンディングは近年最も著しく成長している分野だ。インドネシア金融サービス庁(OJK)の統計によると、同国のレンディングプラットフォームによる総融資額は、2018年第1~第3四半期に9億5100万ドル(約1040億円)だったが、今年は20億ドル(約2200億円)に達すると推計さていれる。

同分野では昨年、3つのプラットフォームが多額の調達を果たした。シリーズBで3000万ドル(約32億6000万円)を調達したFinAccel(Kredivo)、シリーズCで2800万ドル(約30億4000万円)を調達したC88 Financial Technolgies、同じくシリーズCで2400万ドル(約26億円)を調達したMokaだ。

ただし、こうしたサービスが普及するのに伴って、インドネシア金融サービス庁は管理体制を強化している。一部の消費者団体から「不当な手段で取り立てている」との訴えがあり、被害者を自称する1300人から署名が集まったケースもあるからだ。また、同庁に届け出せずに運営していたレンディングサービス企業738社に対して、インドネシア通信情報省(KOMINFO)がすでに閉鎖の措置を下した。

P2Pレンディングサービス以外では、電子決済サービスも同国では成長著しい分野だ。インドネシアのVC 「MDI Ventures」と「Mandiri Capital」が共同発表したレポートによると、同国のオンライン決済市場は2020年に300億ドル(約3兆2600億円)に達すると見込まれている。2016~2020年の年平均成長率は158%だ。

2019年の展望

2019年も引き続き、インドネシアのデジタル産業をけん引するのはフィンテック関連となるだろう。国内の二大モバイル決済サービスであるTCASH、GO-PAYを、急成長中のOVOが猛追する中、現地メディアは「中国から進出した支付宝(アリペイ)や微信支付(WeChatペイ)がQRコード決済の普及をリードするだろう」と見ている。

Eコマースでは自国企業のtokopedia、Bukalapakに加え、LAZADA(フィリピン)、Shoppe(シンガポール)という四大企業の競争が激化するとだろう。今年は新たなプラットフォームは登場しないと見られる。

新業界の誕生

スタートアップ企業のエコシステムビルダー「KIIBAR」の創業者Yansen Kamto氏によると、今年のインドネシアでは医療、教育分野が注目株だ。同氏は「この二分野から新たなユニコーンが誕生する可能性がある」としている。

同国のルディアンタラ通信・情報相も、「評価額10億ドルを超える企業(=ユニコーン)が2019年には5社になる。医療か教育分野の可能性が大きい」と、同様の発言をした。インドネシア政府は、スタートアップ企業の創業者と投資家のマッチング、中小企業や農業・漁業のIT化を支援する方針だ。

投資に関しては、インドネシアのスタートアップ企業は非常に魅力的だ。前出のYansen氏は「2018年は豊作の1年だった」と語り、今年はさらに東南アジアや中国からの資金が流入すると見ている。
(文:Kr Asia、Khamila Mulia)
(翻訳・愛玉)

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