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農産物にライブコマースを取り入れることで、拡販のチャンスが生まれている。
アリババが開催したEC貧困削減大会で、淘宝(タオバオ)コンテンツ・エコシステム総監の聞仲氏が、2019年に淘宝直播(タオバオライブ)で「村播(農村ライブ)」計画を実施すると発表した。100の県で農業従事者1000人が月収1万元(約16万円)を実現できるようサポートするという。
この計画では、全国の農業集中地域でライブコマースやテーマイベントを行うとしており、2019年末までに100県で1000人のインフルエンサーを育成し、配信体制を構築して、農産物を年間30億元(約480億円)販売することを目指す。
ライブコマースはEコマースのメインストリームになっており、2019年の市場取引高は1000億元(約1兆6000億円)を超えた。3年後には5000億元(約8兆660億円)の市場に成長すると予測されている。統計データによると、淘宝直播の農産物カテゴリでは、毎月6万件の配信があり、視聴者数は6000万人、成約金額は1億5000万元(約24億元)に上った。
2017年12月に「アリババ貧困削減基金(Alibaba Poverty Relief Fund) 」を設立した際に、アリババは今後5年間でEコマース、エコシステム、教育、女性、健康という五つの分野に100億元(約1600億円)を投じて貧困削減に取り組むというグループ戦略を発表した。Eコマースによる貧困削減はアリババ貧困削減基金の重点項目だ。
農村部をターゲットにしたECプラットフォーム「農村淘宝」副総経理の鄭威氏によると、Eコマースによる貧困削減とは「貧困地区の農産物を滞りなく売りさばくこと」だという。そのためには「一線一品(一地区一産品)」モデルとプラットフォームに加えて、ライブコマースも重要な手段だ。
実は、SNS最大手の「微博(ウェイボー)」を始め、「快手(Kwai)」や「今日頭条(Toutiao)」などのソーシャルプラットフォームも「ライブ配信+ショートムービー」による貧困者支援に注目している。
2018年11月、微博を運営する「新浪(SINA)」が貧困者支援計画を発表。微博のプラットフォーム資源を活用して国家級貧困県(国家が指定する貧困地域)60カ所と協力し、2年以内に各地域の代表的ブランドを作り上げ、特産品をトレンド化またブランド化して拡販を実現するとしている。
2018年9月には、快手が3年間で5億元(約80億円)分のトラフィックを投入して、貧困地区の特産品500点以上を重点的にPRし、農業従事者が貧困から脱出することを支援すると表明した。
2018年11月、今日頭条は傘下の動画サイト「西瓜視頻」とタイアップして国家級貧困県でライブコマースイベントを行い、今日頭条のユーザーに向けて特産品のPRと販売を行った。2回の配信と再放送を116万人が視聴し、2日間で売上高は15万元(約240万円)を超えた。
ライブコマースはリアルタイムかつ双方向性のエンターテイメントツールであり、同時に公益活動の発信チャネルともなり得る。貧困地区を支援して、特産品や文化、風土を発信するライブコマースには大きな可能性が広がっている。
(翻訳・畠中裕子)
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