WeChatに挑んで撃沈したメッセンジャー「子弾短信」、改名して再出発

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WeChatに挑んで撃沈したメッセンジャー「子弾短信」、改名して再出発

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1月15日、中国では新たな趣向のソーシャルアプリが3つ同時にリリースされた。バイトダンス(字節跳動)の「多閃(Duoshan)」、雲歌智能(RINGLE.AI)の「馬桶MT」、快如科技(Beijing Kuairu Technology)の「聊天宝」だ。最後の聊天宝は昨年8月、微信(WeChat)の対抗馬としてリリースされた「子弾短信(Bullet Messaging)」のリニューアル製品だ。

聊天宝は、チャットをする、ニュースを閲覧する、友人を招待する、買い物をするなど、アプリ内のあらゆるアクションに対して「ごほうびポイント(奨励)」がつくのが特徴。また、友人リストを「親しい友人」と「知り合い」に分類でき、受信するメッセージをフィルタリングできるようになっている。

聊天宝に出資するスマーティザン・テクノロジー(錘子科技)創業者の羅永浩氏は、製品発表会で、ドローンメーカー「DJI(大疆創新科技)」や菓子メーカー「三只松鼠(Three Squirrels)」などとコラボしたPRイベントを展開することを発表した。先着6888人にプレゼントされるドローンをはじめ、各種プレゼントやキャッシュバック、優待券などを含めると総額1億元(約16億円)相当の大判振る舞いとなる。また、支付宝(アリペイ)による旧正月前キャンペーン「集五福」にも参戦するなど、インターネット上でも2億元(約32億円)規模のプロモーションを行うという。

もちろん、こうした手法が必ずしも多くの顧客獲得につながるとは限らない。多くの企業がソーシャル関連製品で一旗揚げることを望むが、WeChatが幅を利かせる中、後発組が市場シェアを大きく奪える可能性はほぼないと言っていい。WeChatはすでに、生活の各場面で欠かせない存在となっており、知らない人同士をつなげる「陌陌(MOMO)」や企業向けチャットアプリの「釘釘(DingTalk)」なども存在している。こうした先発組だけでSNS市場はほぼ飽和状態だ。

後発組にとってチャンスがあるとすれば、「00後(2000年代生まれ)」の台頭で、微信に不満なユーザーの割合が増えてきたことだろう。

快如科技の共同創業者、郝浠傑氏は「WeChatも釘釘もまだ手をつけていない領域を掘り起こしたい」と述べる。ビジネスシーンに特化した釘釘は、コンセプトは完璧だが、肝心のメッセンジャー機能はWeChatに劣る。一方、WeChatは利用シーンがあまりにも拡がりすぎて、個々のシーンの切り分けができない。オフィシャルもプライベートも一緒くたにされてしまう。

聊天宝は前身の子弾短信と同様に、WeChatと釘釘の中間的な位置付けを目指しているようだ。「超効率的な次世代通信ツール」として登場した子弾短信は、確かに効率的でスピーディだったが、それだけでは強みにはならないだろう。

いずれにせよ、多数のユーザーを獲得できなければ、市場争いには食い込めない。しかし、聊天宝も、同日に発表された多閃や馬桶MTも、すでにWeChatから締め出されている。WeChatの手が届いていない領域で勝負するとしても、あくまでもWeChatの補完的位置付けにしかならない。WeChatの地位に取って替わることにはならないはずだ。
(翻訳・愛玉)

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