バイトダンスが新ソーシャルアプリ「多閃」リリース、親しい人とのコミュニケーションを促進

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TikTokを運営する「バイトダンス(字節跳動)」が新ソーシャルアプリ「多閃(Duoshan)」をリリースした。このアプリはもともと、TikTokのダイレクトメッセージ機能をアップグレードしたもので、責任者は1993年生まれの徐璐冉氏という若い女性だ。発表の場にはTikTok総裁の張楠氏とバイトダンス系ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」CEOの陳林氏も姿を見せた。

陳林氏は「多閃はWeChatの競合ではない」として、「WeChatは人々のアドレス帳で、連絡先はすべてその中にある。コミュニケーションのインフラにもなっている。我々がやろうとしているのは、リビングルームのように、友達や家族など最も親しい人々だけを招いて大胆かつリラックスして話せる場の提供だ」と語る。

多閃の第一印象は多くのアプリに似ているということだ。SnapchatやInstagram、MessengerやApple Watchの機能を集めたものだと評する内部関係者もいる。では、多閃の革新性はどこにあるのか。バイトダンスの戦略について、陳林氏、張楠氏、徐璐冉氏にインタビューした。

■多閃をリリースした理由について

―― 短編動画+ソーシャルは昨年から話題になっていますが、この時期にこの製品を発表したのはなぜですか。

張楠氏「2018年に非常に多くのユーザーがソーシャルプラットフォーム上でのコミュニケーションにTikTokの短編動画を使用していることに気づいた。しかし、いくつかの制限があったので、多くのユーザーから不便だと苦情をいただいた。そこで、こうしたニーズに応える製品を開発しようと考えた」

■多閃のポジショニングと強み

―― 多閃の研究開発チームについて教えてください。製品開発にいつから着手したのでしょうか。

徐璐冉氏「私たちは2017年半ばから、どのようなニーズを満たすべきかについて何度も話し合ってきた。プロジェクト全体を立ち上げたのは2018年の初めから半ばにかけてだ。当初チームは2人だけでスタートし、現在も比較的少数だ。チームは非常に若く、全員90年代以降に生まれた世代だ」

―― 親しい人との交流をテーマにした理由は何ですか。

徐璐冉氏「私たちは最初から親しい人との交流という問題を考えてきた。この製品は、私たち自身の問題を解決するためのものだった」

―― TikTok上の機能を最適化するのではなく、新しい製品にしたのはなぜですか。

陳林氏「TikTokと多閃の位置付けはかなり異なる。TikTokは親密な友人同士のためのものではない。混在させることは困難だ」

―― 動画ソーシャルは従来のソーシャルに取って代わっていくものなのでしょうか。

陳林氏「グラフィックとテキストによる交流は効率を重視し、感情はあまり強調しない。しかし、ビデオは場所や状況、環境、人物の感情など、多くの情報を伴っている。これら2つの違いは非常に大きく、達成すべき製品の目標も異なってくる」

――インスタントメッセージについては。

陳林氏「我々の製品はインスタントメッセージを主とするサービスではないので、WeChatとは競争関係にない」

■TikTokと多閃の関係について

―― 多閃のスタートに際して、初期のユーザーをどのように集めようと計画していますか。

陳林氏「できるだけ自然な方法で、口コミを中心に販促したいと思っている」

―― TikTokなど、バイトダンス傘下の他のアプリから誘導することもあるのでしょうか。

張楠氏「私が今日ここに来たということは、多閃とTikTokは密接に連携していくことを意味している。もちろんバイトダンスの製品は相互にサポートし合うが、それに完全に依存したくはない。私たちは多閃を独立した一つのアプリとして発展させたいと考えている」

■多閃が直面しうる問題について

――ソーシャルアプリを長く使っていると、それほど親密でない関係の人も入ってきてしまいます。

徐璐冉氏「本来、親しい関係にあるという状態は、ユーザーが情報を共有する際のハードルが低いということだ。であれば、ユーザーが交流したいと思う相手とより簡単にコミュニケーションできることが重要だが、現在のソーシャル製品はこの点がうまくいっていないと感じている。多閃は進化のプロセスにあり、進化の過程でこれらの問題を解決していく。ユーザーの社会的ストレスを軽減し、親しい人々とのコミュニケーションを容易にするという初心を忘れずにやっていく」

―― 将来のビジネスモデルは。

徐璐冉氏「ビジネスモデルについて話すのは時期尚早だ。まずはユーザーのニーズを満たしていくことが重要だ」
(翻訳・神江乃緒)

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