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現在、レベル3以下の自動運転機能はすでに実用段階に入っており、各自動車メーカーは自動運転車の開発を加速させている。こうした中、自動運転に必要不可欠な技術である高精度3Dマップへの関心も高まっており、BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)をはじめとする多くのIT企業が技術開発競争を繰り広げている。
モービルマッピングシステム(MMS)および3Dテクノロジーの中国トップ企業「立得空間(LEADOR)」も、この時流に乗るように組織改革に着手した。同社の高精度3Dマップ事業を分離。傘下のコネクテッドカー・プラットフォーム企業「秀友科技(SHOWYOU)」と合併させて、法人向け地図サービスに特化した「極智行科技(GeekGoing)」を立ち上げたのだ。極智行は自動運転車向け高精度3Dマップ技術の研究開発に取り組むとともに、親会社の立得空間と共同で「地図データ+サービスプラットフォーム」戦略を推進するという。
創立から20年近く経つ立得空間だが、かつては慣性航法とその関連技術を研究していた。現在はMMS、デジタルマップ、スマートシティ関連テクノロジーを中心にサービスを展開している。また、同社の技術は航空宇宙分野でも採用されており、先日、世界初の月面裏側着陸を成功させた月探査機「嫦娥4号」プロジェクトでは、リモートセンシング画像処理をサポートしている。
一方、今回新たに誕生した極智行の強みは、大量のナビゲーション用デジタルマップデータだ。同社は香港・マカオを含む中国全省の333の都市と2890の行政区画の2Dナビゲーション用デジタルマップ、200以上の都市のストリートビューマップを有している。
立得空間は、極智行の設立に先立ち、自動車メーカーの上海汽車集団(SAIC MOTOR)および東風汽車集団(DONGFENG MOTOR)と自動運転車向け高精度3Dマップ技術に関する提携を結んだ。
高精度3Dマップ技術が搭載された自動運転車に、昼夜、天候、センサーの位置、車種を問わず、道路の種別や方向、傾斜、制限速度などのほか、工事エリアの場所などの詳細情報を随時伝達することが可能となり、より安全かつ快適な運転環境をもたらしてくれる。
こうした技術は自動運転だけでなく、スマートシティ、スマートツーリズム、治安、不動産、交通輸送、新小売、自動車インターネットなどさまざまな分野への応用が期待できる。極智行が活躍できる場も増えていくに違いない。
(翻訳・飯塚竜二)
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