ターゲットは地方や田舎の個人小売店、スマートフォン取引プラットフォームの「黄豆侠」はオフライン販売を重視

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「黄豆侠(www.ihdou.com)」は、3C製品(PC、スマートフォン、ゲーム機など)を取り扱う個人小売店向けのスマートフォン卸販売プラットフォームだ。ビジネスモデルはS2B2C(供給者→事業者→消費者)で、サプライチェーンおよびインターネットサービスを通じてオフラインの販路を統合して、サービスや製品販売を拡大しようとしている。

黄豆侠を運営する「黄豆偉業(Beijing huangdou weiye electronic commerce development)」は、この時代になぜオフラインの販売ルートを重視するのか。

同社の創業者である呉初明氏は「頭打ちになりつつあるスマートフォン市場にも、5Gが普及すれば新たな成長余地がもたらされる。技術の向上がもたらす、さらなる需要の拡大だ。現在、スマートフォン販売はオフラインが75%を占めているが、三級以下の都市では80%に達する。OPPOやvivoの成功は、オフライン販売が依然として重要であることを証明している」と理由を述べる。

スマートフォンのオフライン販路は主に「迪信通(D.PHONE)」や「蘇寧易購(Suning.com)」などの家電量販店と個人小売店だが、同社が重視する三級都市以下の市場では、家電量販店やEコマースが定着しにくい。反面、個人小売店の存在感は大きい。店が近くにあり、すぐに製品を入手できるからだ。また、一般的には、地方や田舎になればなるほど人間関係が消費行動に影響を及ぼすようにもなる。

個人小売店は地域で強い販売力を持ち、近隣の信頼も得ているが、一方ではIT化が後れているという弱点がある。ここにチャンスを見出したのが黄豆偉業だ。同社が目指すのはこうした個人小売店にプラットフォームを提供し、三級都市以下の市場で「京東商城(JD.com)」のような存在になることだ。

黄豆侠はより多くの個人小売店にプラットフォームを利用してもらうため、サプライチェーンのコストを抑え、個人小売店の利益が増えるように工夫している。

同社がサプライヤーとして提供している業務はコスト管理のサポート業務で、収益のほとんどはサプライチェーン・ファイナンスや店舗向けSaaS、消費者金融への誘導および関連アプリの配布といった新小売サービスから来ている。

具体的には、従来のスマートフォン販売店では端末を大量一括仕入れすることが一般的で、在庫や商品価値下落などのリスクがあった。黄豆侠では端末の小ロット注文に対応するとともに、物流システムを整備。受注後16時間以内に専門の配送チームが各小売店に配送するなど、効率化を徹底している。これらの特長が個人経営の小売店を惹きつけているという。

地方や田舎になればなるほど、販路は毛細血管のように複雑化する。新規獲得やその後のチャネル運営の維持・管理を考慮すると、規模を拡大することは難しく、新たな運営方法も模索しなければならない。この点はオンライン販売と大きく異なる。

黄豆侠では、前述の配送チームがマーケティングやアフターサービス、ユーザーの維持管理なども担当するが、これはアリババのビジネスモデルを参考にして呉氏が導入した方法だ。

現在、同社のサービスは河北省全土に広がっており、河南省と安徽省でも市場開拓を進めている。単月のGMV(流通総額)は1億元(約16億円)を突破し、今後は他の省にもサービスを拡大していく計画だ。

エリア拡大に際して欠かせない作業は、進出する地域に同様のビジネスモデルがすでに存在しているかどうかをリサーチすることだ。全国各地のコミュニティ単位で展開する共同購入サービスなどはまさに類似するビジネスモデルであろう。

この点について呉氏は、同社がスマートフォンの供給に特化していること、また、小売店の利益を最重要視しているビジネスモデルであることを強調する。同社にはすでに成功モデルがあるが、それを他地域で展開したり、人材を遠隔管理しなければならないという面では新たな挑戦が待っている。同社の今年の目標は、10省へ進出し、ひとつの省で20億元(約320億円)のGMVを達成することだ。将来的には、スマートフォンだけでなく、各種デジタル製品を取り扱うプラットフォームに発展させる計画だ。

インフラ投資が進まない地域では、インターネットに初めて触れる機会がスマートフォンであることも多い。つまり、こうした地域では、スマートフォンを販売する個人小売店がインターネットの「入り口」となっており、呉氏はこの入り口を押さえることが、今後さまざまなサービスを拡大していく上で強力な武器になると信じている。
(翻訳・飯塚竜二)

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