中国の「山崎」を目指すウイスキーブランド「VETO」、白酒離れの若者を取り込めるか

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

ビジネス注目記事

中国の「山崎」を目指すウイスキーブランド「VETO」、白酒離れの若者を取り込めるか

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の蒸留酒(スピリッツ)といえば「白酒(パイチュウ)」だ。その市場規模は1兆元(約16兆円)に上り、広く知られた国民的ブランドも多い。その白酒が、今「高齢化」の問題に直面している。第一財経ビジネスデータセンター(CBNData)によると、中高年が白酒を好むのに対して、1990年以降に生まれた若い世代はワインや洋酒、果実酒を好む傾向にあるという。

2018年5月に設立されたウイスキーブランド「VETO」創業者の顧磊氏は、若者の蒸留酒離れが急速に進むとは考えていないという。ただし、現在の文化に合った選択肢が少ない。そこで、元々おしゃれで国際的なイメージがあるウイスキーが若い世代にとって新たな選択肢となっている。

2018年5月に設立されたVETOは、すでにシードラウンドで「弘章資本(Charisma Partner)」から数百万元(数千万円)を調達し、12月12日に最初のシングルモルトウィスキーを発売した。

顧磊氏によれば、中国のウイスキー産業のベンチマークは日本だという。100年足らずの間に世界五大ウイスキー生産地の1つに数えられるようになり、「山崎」など日本の風土に合ったブランドを生み出してきたからだ。

中国のウイスキー消費の場は依然としてナイトクラブやバーなどにとどまっており、認知はされているものの大衆化していないのが現状だ。顧磊氏は「ウイスキーは中国の酒類市場の空白域であり、VETOが若者にとって『初めてのウイスキー』となるようにチャンスを最大限に活かしたい」としている。その鍵を握るのは商品、ブランド、チャネルの3つだ。

1.コストパフォーマンスに優れた商品
洋酒は高級品というイメージがある中国市場では、コストパフォーマンスが高く気軽に試せる商品を作り、多くの消費者を取り込む必要がある。VETOが最初に売り出したシングルモルトウイスキーは、200mlの小瓶で79元(約1200円)と、ウイスキーを飲んだことがない若者でも気軽に試せる価格設定にした。

現在、VETOのウイスキーはスコットランドからの輸入に頼っているが、コスト削減のため将来は国内で生産する必要がある。VETOは少ない投資から始めて消費者のニーズを見極めた後、自国でのウイスキー生産に着手したいと考えている。

2.若者向けのブランドトーン
これまで中国に進出した洋酒ブランドの多くは「高級志向のライフスタイル」を前面に打ち出していたが、VETOは成長市場である若者にフォーカスして、若者に受けるデザインやコンセプトを採用している。また、実際の体験や口コミが最も効果的な宣伝となるため、将来的には広報も強化していくという。

3.飲食店の開拓
アルコール消費のメインは飲食店である。日本では、サントリーが1972年に「二本箸作戦」を展開、ウイスキーを飲食店に浸透させるキャンペーンで市場の拡大に成功した。VETOも、現段階では実店舗向けのプロモーションをメインに進めており、飲食店で効果的に消費者を獲得する方法を模索している。

顧磊氏によると、テストプロモーションでは、若者向けの飲食店の多くが前向きだったという。さらにプロモーションを重ねて、カクテルのように割って飲む方法を勧めたところ、成約率が50%以上アップした。

1兆元(約16兆円)規模のアルコール市場には、すでに多くのプレイヤーが参加している。今後も様々な商品やビジネスモデルが展開されるだろう。
(翻訳・畠中裕子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録