コーヒーチェーン「Tim Hortons」中国、米国での上場目指し約230億円の追加調達へ

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カナダのコーヒーチェーン「Tim Hortons」の中国法人(以下、Tim Hortons中国)は米国での上場を目指しており、このほど1億9450万ドル(約230億円)の追加出資を取り付けたと発表した。また、Tim Hortons中国と特別買収目的会社(SPAC)「Silver Crest Acquisition(銀冠収購公司)」との合併協議終了日が今年6月30日に延期され、合併前の評価額が16億8800万ドル(約2000億円)から14億ドル(約1700億円)に調整されたという。

SPACとの合併はTim Hortons中国が上場する前提条件であるため、協議の延期は同社のIPO(新規株式公開)が再び先送りされたことを意味する。

1億9450万ドル調達の詳細は以下。

Tim Hortons中国は、Tim Hortonsの親会社「Restaurant Brands International (RBI)」、RBIとTim Hortons中国を共同設立した「Cartesian Capital Group」、「Silver Crest Management」などの機関投資家から出資の承諾を得た。これら3社はPIPEs(投資会社による上場企業の私募増資引き受け)によって、Tim Hortons中国とSPACとの合併完了時に最大9450万ドル(約112億円)を出資する。

Tim Hortons中国はさらに、あるグローバル金融サービス企業との間で1億ドル(約119億円)の株式引受の意向表明書に署名した。これにより、TimHortons中国は36カ月間にわたって最大1億ドルの普通株式を同社に売却する権利を有する。

Tim Hortonsはカナダの「国民的」コーヒーブランドで、アメリカンコーヒーとドーナツが人気だ。中国市場へは2019年2月に進出した。中国での22年初め時点の店舗数は410店で、21年上半期から100店以上増やしており、20年の1年間とほぼ同数を達成した。リーズナブルな価格設定のため、地方で展開しても一定の競争力は有しているはずだが、現段階では一〜二級都市と一部の三級都市に絞って出店している。

同社は中国ではZ世代以下をターゲットとしている。さまざまなコンセプトを取り入れて若者の嗜好に合ったブランディングを試みており、IT大手テンセントとのコラボレーションではeスポーツをコンセプトとしたカフェを、動画共有サイトのビリビリ動画(bilibili)とは人気ネット小説「マスターオブスキル全職高手」をコンセプトとしたカフェを開いている。今後もさらに多くの業種と提携してコンセプトカフェを展開したいとしている。

米フロスト&サリバンのデータによると、中国のコーヒー市場の2013〜2018年の年平均成長率(CAGR)は29.54%と急激に伸びており、さらにCAGRが25.99%で推移すると仮定すると、23年には市場規模が1806億元(約3兆3700億円)にまで拡大する。また、ある調査機関は、中国の1人あたりのコーヒー年間消費量が21年の9杯から23年には11杯にまで増えると予想する。

Tim Hortons中国の取締役会会長Peter Yu氏は「今回のPIPEs投資と株式引受、昨年12月に実施した新株予約権付社債(CB)による資金調達で、今後5年の事業拡大計画に十分な額に達すると考える。パートナーと共にTim Hortons中国をトップクラスのコーヒーチェーンにしていきたい」と述べている。
(翻訳・山下にか)

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