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火鍋、マーラータン、ラム肉の串焼きなど、在日中国人向けに料理を提供する「ガチ中華」。日本のメディアでも度々取り上げられちょっとしたブームになっているが、その分競争も激しくなっている。そんななか飽和に向かう火鍋やマーラータンなどの店と差別化を図るため、ニッチを狙う店も出てきた。最近少しずつ増えているのが中華スイーツ専門店だ。エッグタルトやアヒルの塩漬け卵入りパイ、ポークフロスケーキなど日本では珍しいスイーツを提供する店も多い。今回は中でも中国っぽい肉松(ローソン)を使ったスイーツを紹介する。
見た目は肉そぼろ。だけど甘しょっぱい
肉松は日本語で「ミートフロス」。そう言われてもぴんと来ないだろう。豚肉や鶏肉を砂糖やみりんなどで甘く味付けし、水分がなくなるまでぱさぱさに煎った食べ物だ。
中国ではごくありふれた料理だが、見た目のイメージより遥かに甘いので、筆者は最初に食べたときにびっくりした。口当たりはちらし寿司に入っている桜でんぶとよく似ている。
「肉」「甘い」という属性を持つので、おにぎりやパンなど惣菜系だけでなく、ケーキなどスイーツの具材にもなっている。
池袋に2020年12月にオープンした中華スイーツ専門店「食甜」は、この肉松ケーキを看板メニューにしている。店員によると、「お客さんの比率は中国人85%、日本人が15%。中国人に人気があるのは肉松ケーキとオレオを使ったチョコケーキ」とのこと。他に、エッグタルト、里芋を使ったケーキも売っている。2022年3月には高田馬場に2号店を開いた。
表参道に2021年3月にオープンした中華スイーツカフェ「NANATEA & Tsutsumi」も肉松ケーキが看板メニューだが、土地柄を反映しておしゃれ感を全面に打ち出している。チーズティーなどのドリンクと肉松ケーキなどの中華スイーツセットが人気で、料理長を務める薛さんは「中華スイーツを買うお客さんのうち、4割近くが日本人です。口にした瞬間は不思議そうな反応をしますが、惣菜パンの一種として受け入れられているようです。」と話す。こちらも2021年12月に池袋にテイクアウト専門の2号店をオープンさせており、じわじわ人気が出ているようだ。
中華系フードデリバリーアプリのHungry Pandaや中国版Instagram「Red(小紅書)」で検索してみると都内では駒込の「李百万」、御徒町の「六喜 有点甜蛋糕屋」、板橋の「TATAKO喜七」、西川口「三年二組」などでも肉松が販売されていた。こういった店がが中華料理店やタピオカドリンクスタンドに中華スイーツを卸しているケースもあり、肉松ケーキも少しずつメジャーになっていくかもしれない。
阿生:東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng
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