三大動画共有サイトが「タテ型ショートドラマ」制作に注力、TikTokなど新興勢力への対抗策になるか

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中国の三大動画共有サイト「優酷(Youku)」「愛奇芸(iQIYI)」「騰訊視頻(テンセントビデオ)」がいずれもタテ型コンテンツに力を入れはじめている。スマートフォンなどのモバイル端末で視聴するのに向いているからだ。

愛奇芸はタテ型動画を集めたプラットフォーム「豎屏控劇場(Vertical Zone)」を正式リリースした。初回はドラマやバラエティなど25本を公開している。騰訊視頻もショート動画アプリ「yoo視頻」で10数本のタテ型ショートドラマを配信した。優酷は、2017年にはすでにタテ型動画へ参入すると表明している。

モバイル端末の利用増でタテ型コンテンツに脚光

三社がともにタテ型動画に注目しているのは単なる偶然ではない。

モバイル端末が普及するに伴い、コンテンツの閲覧は従来のPC(ヨコ型画面)経由からモバイル端末(タテ型画面)経由に移行している。また、この変化はコンテンツの長さにも影響を与えた。モバイルインターネット専門調査会社「QuestMobile」の調べによると、2018年12月までの1年間で、ショート動画の視聴時間は前年より大幅に増加し、一方、長編動画の視聴時間は減少した。例えば、ショート動画アプリ「西瓜視頻(Xigua Video)」の1ユーザーあたりの利用時間が1日104分であるのに対して、愛奇芸は71分となっている。

ショート動画アプリの攻勢とモバイルユーザーの需要の変化に直面して、長編動画がメインの動画共有サイトはタテ型ショートドラマに大きな期待を寄せているのだ。

人気と収益が結びつかない現実

ただし、タテ型動画やショート動画が人気だと言っても、それが必ずしも利益に直結するわけではない。動画プラットフォームの主な収入源は有料会員システムや広告だが、いずれにしても、タテ型ドラマが収入にもたらす効果はわずかだという。

長編動画でよく採用されるネイティブ広告やコンテンツマーケティングは、再生時間の関係からタテ型ショートドラマには導入しにくい。連続ドラマ1話の再生時間は1~5分と短く、全編通しても1~3時間程度だ。ただでさえ短い再生時間に頻繁に広告を挿入すれば、視聴体験の質が落ちる。

となると、データフィード広告やスポンサークレジットがタテ型ショートドラマに適していると考えられる。しかし、短ければ2~3話、長くても15~20話で完結する連続ドラマに対して、データフィード広告の掲載枠はそれほど多くはない。また、ドラマにスポンサークレジットをつけるなら、ドラマの質は一定の水準をクリアしていなければならない。現段階のタテ型ショートドラマは玉石混交で、広告主としてはスポンサーになりにくい。

愛奇芸はオーバーレイ広告(動画再生中に表示されるバナー形式の広告)を試験的に採用しているが、広告主はこれにもコンテンツの質を求めるだろう。どのみち、タテ型ショートドラマは広告との親和性が高いコンテンツとは言えない。

一方で、コンテンツの有料化も現実的とは言えないだろう。長編ドラマは連続性があり、ヒット作となればSNSで広く拡散されるが、ショートドラマは単発となりがちだ。また、コンテンツの半数以上がコメディでジャンルの多様性にも欠けるため、ユーザー課金につながらないのだ。

ライバルや新興勢力への対抗策として

三大動画共有サービスの競争はますます激しくなり、コンテンツの差別化が重要な鍵となっている。現在は三社ともタテ型ショートドラマで勝負をかけているわけだが、あくまでコンテンツの形式が増えただけで、プラットフォームの主戦力にはなっていない。

また、三社間の競争以外に、新興ショート動画アプリも大きな脅威だ。

タテ型ショートドラマは長編動画サイトがショート動画アプリに対抗するための手段として導入されたが、現在のところ量でも質でも未熟だ。

量的側面で言えば、人気のショート動画アプリ「快手(Kwai)」に投稿される動画は1日300万件。圧倒的な数であり、ドラマではとても太刀打ちできない。

質的側面で言えば、ショート動画アプリではライフスタイル、ショッピング、レジャーなど、すでに豊富なジャンルが確立している。一方、コメディに偏るタテ型ショートドラマにはジャンルの厚みがない。

ユーザーがスキマ時間にモバイル端末を利用する時代、次のトレンドがタテ型ショートコンテンツであることは間違いないだろう。また、タテ型コンテンツとショートドラマを融合させれば、低コストで大きな需要を掘り起こせるかもしれない。ただし、運営元に利益で貢献できるか、ライバルとの差別化が図れるか、あるいは新興ショート動画アプリに対抗できるかと言えば、役割がはっきりと見い出せていないのが現状だ。
(翻訳・愛玉)

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