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北京市にあるマイクロソフトリサーチアジア(MSRA)は、中国の国家国防科技工業局が管轄する7つの大学「国防七子」と北京郵電大学からのインターンシップ受け入れを停止したようだ。このニュースは北京郵電大学のネット掲示板やQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」などで複数のユーザーが発信している。
この措置によって、MSRAが対象校からインターンシップの学生を受け入れるには特別な理由が必要となり、学生はインターン生に選ばれても大学名を使って論文を共同で発表することができなくなったという。
MSRAはこれまで中国にある多くの大学と協力関係を保ってきた。国防七子のハルビン工業大学や北京航空航天大学を含む一流大学14校と博士育成プログラムを実施。同プログラムに選ばれた学部生と大学院生は、MSRAのインターンシップに参加でき、ベテラン研究員の指導も受けられる。14校の学生はマイクロソフトが年に一度募集する奨学金対象者の常連となっている。
ネット上で伝わっている情報によると、MSRAはインターンシップのみを停止しており、学生の採用活動や就職は制限していない。しかし、マイクロソフトの研究機関として米国国外で最大規模のMSRAは人工知能の分野で相当な影響力を持つため、インターンシップがなくなるだけでも学生には損失が大きい。
対中制裁の影響が学生にも波及
米国商務省産業安全保障局(BIS)は安全保障上の懸念から輸出を規制する「エンティティ・リスト(EL)」を定めた。リストに掲載された企業や組織は、米国政府の承認を得ずに米国の技術を含む製品を使用したり、米国から部品を購入したりすることが禁止される。
ELに掲載された中国企業は2018年が63社、19年がファーウェイなど151社、20年が240社、21年が150社以上で、いずれも通信、半導体、人工知能などに関わるハイテク企業だ。中国の大学も同じく、航空・宇宙、材料、計器、コンピューター、工学、人工知能など先端技術に関連する理工系大学がELに掲載されている。
中国の大学では01年5月に北京航空航天大学と西北工業大学が初めてELに掲載され、12年9月に電子科技大学と四川大学が追加された。20年12月18日時点で18校が掲載されている。
MSRAの動きが伝わったことで、米国の対中制裁による影響が再び表面化している。
作者:品玩(WeChat ID:pinwancool)、白寧
(翻訳・大谷晶洋)
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