AIで量り売りをスムーズに、Pospalの生鮮食品向けレジサービス 約0.2秒で精度最高99.9%に

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AIで量り売りをスムーズに、Pospalの生鮮食品向けレジサービス 約0.2秒で精度最高99.9%に

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生鮮食品は生活に欠かせない必需品だ。企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、2020年に生鮮食品の小売市場は5兆元(約100兆円)に達した。生鮮食品ECが増加すると同時に、オフラインでも生鮮食品スーパーや果物店などが各地で開業している。

ITサービスを手がける「厦門准動網絡科技」が2011年に設立したソフトウエアブランド「Pospal」はこの市場に着目し、量り売りの生鮮食品計量ソリューション「銀豹生鮮称重(Silver Leopard Fresh Weighing)」を打ち出した。これは実店舗のレジに特化したSaaSサービスで、POSレジ、管理、オンライン店舗、マーケティングの4分野を軸にSaaSクラウドプラットフォームとミニプログラムを展開し、携帯電話、PC、タブレットを使った会計に対応する。以前には「創新工場(Sinovation Ventures)」「真格基金(Zhen Fund)」「順為資本(Shunwei Capital)」からの出資を獲得している。

2018年以降、Pospalはベーカリー、小売、飲食、ペット、卸売などの分野に参入した。大型生鮮スーパー、青果店、スナック食品、自由市場、調理済み食品などの業態向けに計量とPOSレジサービスを中心としたスマートソリューションを提供する。銀豹生鮮称重事業部の皮君ディレクターによると、生鮮食品の多くが量り売りのため支払い前に計量してバーコードシールを発行しなければならず、これまでは人員の配置や効率上の問題があった。

サービス例

バーコードを印刷する従来型のスケールは比較的複雑なPLUコードを使用しており、中規模スーパーの計量スタッフは一般的に200から300種類にも及ぶ商品とそれに対応するコードを記憶する必要がある。客数が多いと待ち時間が延び、売り上げを逃す確率が高くなる。店舗管理ではバーコードを印刷するスケールやレジシステムの操作が煩雑であり、従業員のトレーニングコストも高くなりがちだ。

これらの問題を解決するため、Pospalのソリューションでは自社開発AI画像認識技術を用いたSaas型のAIレジシステムとスマートラベルスケールシステムによって運営効率を向上させている。皮君ディレクターによると、Pospalは店舗面積や商品SKUなどに応じて該当するラベルスケールのモデルと数量を選択し、ソリューション提供の際には店頭での評価と検査、商品データの分類、機械の欠陥補修、ソフトウェアの設定などを行うという。

同ソリューションのAI認識速度は平均約0.2秒で精度は最高99.9%に達する。袋やパック、ネットなどさまざまなパッケージに対応でき、肉、野菜、スナック食品や果物など多品目の識別も可能なほか、商品認識、計量、価格計算から決済までの平均速度は1秒ほどに過ぎない。

皮君ディレクターによると、システムの強みはAIアルゴリズムにあるという。Pospalは一連のソフトウェアシステムを自社開発し、AIデータベースを構築してきた。POSレジ分野で蓄えた経験を活かし、大量の生鮮食品の画像を収集・タグ付けし総合的なライブラリを形成した。特定の店舗で商品画像がない場合にも計量の過程で画像を収集して認識アルゴリズムをトレーニングできる。同氏によると今では2、3回のトレーニングでライブラリにないアイテムの特定が可能という。

AI識別の難易度は商品によって異なり、果物や野菜などは通常簡単にライブラリを形成できる一方、スナック食品は比較的難易度が高い。ナッツやドライフルーツなどは通常大量に計量される上にブランドが多く包装もまちまちのため、画像を個別に収集してタグ付けすることで認識精度を上げる必要がある。

製品例

皮君ディレクターの見解では、同社ソリューションのAIは主に2つの分野で優れている。

1つ目はニーズに対する理解。AIアルゴリズムを専門とする企業に比べ、豊富な業界経験を持つPospalは、生鮮食品ビジネスや課題、ニーズをより深く理解している。

2つ目は互換性だ。PospalのAIはレジシステムに組み込める機能モジュールで、他のレジ設備のモジュールにも接続できる。同社は目下、主要レジメーカーと協業を行うことで合意したほか、複数の決済プラットフォームとの連携も実現している。

アプリケーション分野では、基本的な計量およびレジ機能に加えて、店舗管理、会員システム、マーケティングツール、ミニプログラムなどにもサービスを拡大している。Pospalが提供するフードデリバリーのミニプログラムを例にとると、注文受付、配達、予約、ライブ配信、グループ購入などの一般的な機能が含まれているため、店舗側はわざわざ他のプラットフォームを構築したり連携したりする手間を省ける。

PosPalの研究開発チームは主にAT&T、ファーウェイ、アリババなどの出身者で構成され、AIラボの責任者はファーウェイの研究室でアルゴリズムエンジニアを務めていた。銀豹生鮮称重事業部の皮君ディレクターは、POSレジ分野で10年近くの経験を持つ。

(翻訳・大沢みゆき)

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