自動車メーカー、周辺商品が重要なマーケティング手段に

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

新華社

自動車メーカー、周辺商品が重要なマーケティング手段に

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

【新華社北京5月8日】中国では自動車メーカーが技術でしのぎを削る一方、周辺商品をめぐる競争もヒートアップしている。ハイエンドなブランドを形成し、「ファンエコノミー」で勝負することは、自動車メーカーにとって無視できない事業分野となっている。

1990年代生まれの呉鵬(ご・ほう)さん(仮名)は新興自動車メーカーの製品を購入する理由について、ユーザーに寄り添うサービスが魅力であることのほか、各種の周辺グッズがユーザーと特別な関係を結んでいることを挙げた。こうした製品モデルは若者のニーズに合致するだけでなく、ライフスタイルの一つとしても受け止められている。呉さんは2021年に小鵬汽車の電気自動車(EV)を買った後、各種の周辺商品も次々と購入し、支出は合計で3千元(1元=約20円)を超えたという。

米テスラのオーナーの一人は「うちの子はテスラの子供用バギーが大のお気に入りだ。傘やコップも買った」と語る。テスラの周辺商品は質もいいし種類も多いと感じている。

大手自動車メーカー、特に新興メーカーは周辺商品を重視している。服飾や食品、かばん、アウトドア用品など商品の種類は多岐にわたり、ハイテク感に満ちたものが多い。

上海蔚来汽車(NIO)は、周辺商品を専門的に手掛ける「NIO Life」部門を持ち、ユーザー運営で重要な役割を果たさせている。21年には594点の新製品を開発し、車載マイクはいつも品切れのヒット商品となった。寅年の服飾やクラフトビール、車用アロマなどさまざまな商品を打ち出している。

消費構造が変化する中、自動車メーカーは個性的なニーズをますます重視しつつある。自動車とインターネットに特化する調査会社、易車研究院は、「Z世代」と呼ばれる1990年代後半から2000年代に生まれた世代の人口は2億6千万人を超え、中国の人口の18.5%を占めるようになり、自動車購入の潜在力も高まっていると指摘。競争の激しい新エネルギー車(NEV)市場では、コアコンピタンスがコスト管理からターゲット層設定、マーケティング能力、ブランド運営に移行しているとの見解を示した。

NIOはユーザーのソーシャルニーズを満たし、顧客ロイヤルティーを高めるため、公式オンラインショップでの消費データに基づき、消費額の多かったユーザーに「金蜈蚣賞」を授賞している。第1位の受賞者の消費額は19年が15万6400元、20年が18万元超となった。

周辺商品を重視する自動車メーカーのマーケティング手法について、業界専門家の葉磊(よう・らい)氏は「周辺商品も自動車メーカーの製品ラインの一部をなしており、評判を積み重ねる重要な手段だ」との見方を示した。NIO創業者の李斌(り・ひん)氏は、既存オーナーのおすすめがきっかけの注文はNIO販売台数の60%を超えると語る。

業界関係者は、新興自動車メーカーのハード面での実力に大きな差はないとし、日増しに激しくなる競争環境の下、サービス品質やブランドイメージなどが競争の重要なターゲットになっており、「ファン効果」がブランド受容度の向上につながると強調した。

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録