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「青晨(広州)電子商務科技」傘下の生鮮ECブランド「青晨鮮坊」は2021年設立。フルフィルメント(受注から配送まで一連の業務)のコスト問題を解決するため、青晨鮮坊は全自動ピッキングシステムを自社開発した。従業員の生産性を大きく向上させ、フルフィルメントコストを業界平均の4分の1にまで抑えた。同システムは中国国内で9つの特許を取得している。
生鮮ECのフルフィルメントコストは倉庫内作業のコストと配送コストから構成されている。ここで生産性の問題を根本的に解決しなければ、利益を上げるのは難しい。
青晨鮮坊は産業用ロボットの生産ライン技術とアルゴリズムをEC倉庫の自動ピッキングに応用、ピッキングと梱包の完全自動化を実現した。従来のピッキング技術に比べ、青晨鮮坊の自動ピッキングシステムには以下のような強みがある。まずは、垂直作業モデルの採用により作業プロセスの短縮、スピードアップ、効率向上を実現しただけでなく、占有面積を小さくすることで空間利用率を向上させた。次に入庫から出庫まで複数のラインで並行して作業を行う方式を採用することで注文のピーク時や同時に発生した注文に対する処理能力を強化。そして複数の温度帯での作業を同時に行えるモデルを採用。これにより冷凍、冷蔵、常温まで各温度帯の商品を同時にピッキングできる。
青晨鮮坊は効果的にフルフィルメントコストを下げるには技術とアルゴリズムが重要だと考えている。自動ピッキング技術は倉庫内の作業効率向上により作業のコストを大幅に下げる。注文1件につき平均5点の商品があるとすると、青晨鮮坊のシステムでは注文1件のピッキング時間を1分以内に抑えることができる。ピーク時に1時間あたり1万件近い処理が可能だ。高度にモジュール化した仕組みにより、単位面積あたりのSKU(商品の最小管理単位)を大幅に増加させた。1平方メートルに100以上のSKUを保管することができるという。
青晨鮮坊は広州市番禺区の南国奥園と錦綉香江という集合住宅エリアですでに運用を開始している。実際の配達時間は20~40分で、配送車と集合住宅内を担当する配達員の引継ぎ時間は約1分、配達員は一人あたり1時間に18~24件の配達が可能だという。将来的にはカスタマイズ化した車両を用い、配送プロセスをさらに最適化したいとしている。
同社の創業者である陸徳CEOによると、自動ピッキングシステムと配送方式により、フルフィルメントコストは現在主流の新小売りや前線倉庫方式の4分の1前後に抑えられるという。
陸CEOは「過去半年の試験運営期間中、成約率は38.32%に達した。翌月の顧客維持率は71%、6カ月後の顧客維持率は23%だった。平均客単価は35.95元(約683円)で、月間リピート率は79.73%に達しているが、クレーム率は1%以下にとどまっている」と明らかにした。
同社は今年3月にエンジェルラウンドで資金を調達しており、現在はプレシリーズAの資金調達が進行中だ。
(翻訳・山口幸子)
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