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2020年代に入り、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックでビデオ通話が一般的なものになった。ビデオ会議をはじめて利用した時は感動した後、使い続けていく中でより良い使い心地を求め、あるいは個性を出そうとして背景を変更するなど、自分色に変えて改善していくという経験はないだろうか。
ビデオ会議の改善という意味では、紹介するKandao(深圳看到科技)のKandao Meetingシリーズの製品は大いに役立つだろう。同製品はビデオ会議において、会議テーブルに置いて起動すると全方位を撮り、テーブルを囲んで座る人全員をフォーカスする。ビデオ会議の相手に会議の参加者・発言者の様子が一画面で伝えられて、リモート会議のストレスを解消してくれる製品だ。
高い技術力とデザイン力で多数受賞
Kandaoは2016年に深圳で創業され、用途に特化したカメラを開発する企業だ。業務向けでは世界初の量産型8K 3Dパノラマカメラ「Obsidian R」や、12K 60fpsという超高解像度撮影や8KVRライブストリーミング配信が可能な3D VRカメラ「Obsidian Pro」といった製品を展開。コンシューマー向けでは世界初のポケットサイズ8K全天球カメラ「QooCam 8K」や、また5月19日に世界向けに発売予定の撮影してその場で確認できる3Dカメラ「QooCam EGO」など、個性が際立った製品をリリースしている。
その完成度から国際的なIT企業やクレジットカード大手などの社内会議室で導入され、また複数な世界最大規模のスポーツ大会で採用されたほか、世界の様々な賞を受賞している。技術面から同社の製品は米CESにて「Innovation Awards」を受賞するほか、ドイツの「iF」や「Red Dot Award」でも受賞し、デザインの良さも評価されている。
さらに日本「グッドデザイン賞」のBEST 100(カメラ部門・分野)でも受賞。これは中国の映像企業としては初の受賞だ。グッドデザイン賞の審査結果において、「極めて高い完成度で作り上げたことは衝撃的」「国内の老舗メーカーが名を連ねる光学機器分野に一石を投じる注目のプロダクト」だと絶賛された。同社の技術的な強みはコア部品を束ねて製品化するソフトパワーとデザイン力であり、ソフト面では立体視やAIなどのビジュアル系のアルゴリズムなどで多数の特許を取得している。また評価を得ている製品デザインについても同社の香港や深圳のスタッフによるものだという。
日本での展開を加速
現在日本市場においてKandaoの製品は購入可能だ。同社の共同創業者兼COOの蔡樹煥氏によれば、「日本は当社にとって非常に重要な市場の一つとして捉えている。今後はさらに日本での展開を強化していきたい」と語っているので今後も日本での販売が期待できよう。
世界的に評価されるKandaoの製品で、日本ではビデオ会議用のKandao Meetingシリーズも入手しやすい。Kandao Meetingシリーズは、Kandao MeetingとKandao Meeting ProとKandao Meeting Sの3機種からなる。いずれも内蔵のカメラユニットで周囲を撮影し、音を全方向に出して拾うことから、スマートスピーカーのような円筒形の形状であり、気軽に持ち運ぶこともできるデザインだ。このうち上位機種のKandao Meeting Proを借りることができたので、 実際の製品の使い勝手を含め紹介したい。
Kandao Meeting Pro実体験 全員が驚いた画質の良さ
Kandao Meeting Proを手に取るとまずその質感の良さを感じる。本体の上部に特徴的な360度撮影可能なカメラユニットとボタン類が、本体底には三脚穴が、本体下部はmicroSDカードスロット、USB Type-C、USB、LAN、HDMIの各種コネクタがあり、本体側面の多くをスピーカーユニットが占める。特殊なカメラ端末ではあるが、スマートスピーカーを導入したことがある人ならば違和感がないだろう。操作は本体のボタンに加え、付属の専用リモコンで操作する。750gと水を入れた水筒のような重さだが、バッテリーは内蔵していないので電源供給が必要だ。充電して出先で電源レスで活用するといった用途はできないのでご注意を。
USBケーブルをパソコンと電源に接続すると、外部接続のWEBカメラとして利用できる。加えて今回紹介のProモデルとSモデルでは外部ディスプレイに接続できスタンドアロンで動作する。大画面で会議の様子をシェアできるので、ProモデルかSモデルがオススメだ。ZoomやTeamsやSkypeやSlackといった定番のサービスほか、中国で使われる釘釘(Ding Talk)や騰訊会議(Tencent Meeting)などのアプリを入れて、Kandao Meeting自体がビデオ会議端末となるわけだ。
会議向けの製品なので、36kr Japanのスタッフとともに会議の形をつくり動作確認をしてみた。起動してまず全員が驚いたのはその画質の良さだ。本製品は1080pか720pに対応しており、ノートパソコンの内蔵のカメラが比較対象になってしまうので当然といえば当然だが、誰が見てもわかるほど綺麗に表示されている。解像度だけでなく、同社のソフトウェアによるものだろう美肌機能が働いているのか肌艶が明らかによくなっている。日本国内でのミーティングなど回線速度が十分にあれば相手側にも綺麗な映像として伝わる。
360度のパノラマ映像で、全体の雰囲気も一目瞭然
Kandao Meetingシリーズの最大の特徴である360度全方位撮影機能については、映像がでた瞬間にテーブルを囲んで座っている人を把握し、分割された画面に各人と場全体を表示した。ビデオチャットの相手側が会議の様子をよりクリアに把握できるように、人が少し動くと、それに合わせてゆっくりと画面も動いた先にシフトする。
撮影モードはいくつかあり、発言者など一人に固定しながら場を映すトークモードや、ゆっくりと全体を見渡すクルーズモードなど、いくつも用意されていて、リモコンから選択ができる。また発言者にフォーカスする機能も用意されている。また、会議用大画面ディスプレイで画面分割された会議の様子を表示するのは、一言で言い表せば「気持ちよくわかりやすい」。
映像のインパクトが強い製品だが、集音機能もしっかりしていることから、音声が聞こえづらいというトラブルもなく、操作もスムーズだった。
このようにKandao Meeting ProはAIにより、360度綺麗にわかりやすく伝わるよう撮ってくれる。日本での実売価格は10万円前後であり、最初は活用できるシーンは限定されるかと考えたが、実際に使ってみると、会議室から複数人が別の場所に向かってリモート会議する場合は非常に効果的な製品だと感じた。リモート会議に加えて、プレゼンや一般大衆向けのオンラインイベントなど、さまざまなシーンで活躍できそうだ。
(作者:山谷剛史)
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