バイトダンス、ショート動画「抖音」にマッチング機能を新設 「脱抖音頼み」に苦戦

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バイトダンス、ショート動画「抖音」にマッチング機能を新設 「脱抖音頼み」に苦戦

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TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)傘下の動画投稿プラットフォーム「抖音(Douyin)」が近ごろ、アプリの通知画面上部にマッチング機能を新設したことがわかった。これはユーザーが閲覧したショート動画の傾向からランダムに別のユーザーをマッチングし、匿名でビデオチャットできるものだ。この新機能はすでに一部で試験的に運用されている。

閲覧した動画の傾向からマッチング

筆者も実際に体験してみた。通知画面からマッチング機能をオンにすると「自動マッチング」を希望するかどうか確認を求められる。「希望する」をクリックすれば、自動的にランダムでショート動画の再生が始まる。再生中の動画を基準に、システムを通して、同時に同じ動画を見ているユーザーとマッチングされる。

マッチングが成功すると、匿名でビデオチャットを開始できる。動画再生画面がチャット画面に変わり、再生中の動画はそのままチャットの背景画面となる。チャット中に「匿名」もしくは「身分を公開」を選択して、絵文字や文字、ボイスメッセージなど様々な方法で交流できる。

もし自分が興味を持てる人にマッチングできなかった場合、ユーザーは「単独点播(単独リクエスト)」機能からより多くのトピックを探すことができる。動画は主にシステムレコメンドや自分が投稿した作品、お気に入りに追加した動画などから推薦される。閲覧履歴が増えることで、マッチングの精度も高くなってくる。マッチングからのやり取りが終わった後もさらに続けて交流することが可能だが、双方ともに「継続了解(継続して理解する)」を選択した場合に限りお互いの通知リストに表示されるようになる。

抖音のマッチング機能は確かにありきたりな印象を拭いきれない。既存プロダクトである音声マッチングの動画版といえるだろう。ショート動画の好みからマッチングを行い、音声でのやり取りを通して知り合うというやり方は、音楽配信アプリ「QQ Music(QQ音楽)」「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」の「一起聴歌(一緒に歌を聴こう)」機能やマッチングアプリ「Soul」の音声マッチングと大差はない。

バイトダンスが力を入れたいソーシャル機能

最新の決算報告によると、バイトダンスの2021年の売上高は前年比70%増の580億ドル(約7兆3660億円)だった。最新レートで計算すると、1日あたりの売上高は10億700万元(約191億円)となる。

売上高は過去最高を更新し、それに伴い評価額も上昇しているが、ショート動画アプリの抖音頼みの体質は変わっていない。売上高への貢献から見ると、抖音アプリ自体の売上高以外に、広告収入も80%以上を抖音アプリのトラフィックに依存している。EC(電子商取引)、ゲーム、教育などの新事業も同様で、第二の抖音となるプロダクトはまだ生まれていない。

そうした状況を打開するため、この数年グループの事業に関連した各種アプリをリリースしている。例えば流行ファッションEC「抖音盒子」(2021年)、音楽配信アプリ「汽水音楽」(2021年)、趣味でつながるSNSアプリ「飛聊(flipchat)」、ソーシャルアプリ「多閃(Duoshan)」(2019年)、Q&Aコミュニティ「悟空問答」(2019年)、検索アプリ「悟空捜索」(2022年)などだ。

そのうち悟空問答はすでにサービス終了、飛聊も正式に運用停止している。リリース時点では独立したソーシャルアプリだった多閃も最終的には抖音アプリに取り込まれてアプリ内の機能の一つとなり、思うような成果があげられていない。

度重なる挫折を経ても、バイトダンスが歩みを止めたことはない。アプリストアから削除した飛聊を再始動させ、「Clubhouse」のような音声SNSとして運営するのではないかという噂も先ごろネット上で流れた。

現状、知人と交流するためのSNSではIT大手テンセント(騰訊)のアプリ「微信(WeChat)」やQQを避けて通ることはできないが、見知らぬ人とつながるSNSの市場はまだブルーオーシャンだ。中国国内でSNS市場の突破口を見つけるには、テンセントに真っ向勝負を挑むよりも強力なライバルの少ない道を選ぶのが賢明だろう。

作者:WeChat公式アカウント「雷科技(ID:leitech)」
(翻訳・山口幸子)

原文はこちら

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