2019年のSNS業界を展望、これからのSNSはどこへ向かうのか

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微信(WeChat)を含め、SNS企業のライバルは、もはや同業者ではなく「今日頭条(Toutiao)」などのコンテンツ企業かもしれない。「TikTok」や「快手(Kwai)」などの動画系サービスが急速に勢力を拡大して、ユーザーの利用時間を奪い、大きなプレッシャーを与えているからだ。

人気ソーシャルアプリはどれもリリースから5年以上が経過、トラフィックが頭打ちになる中、いかにして新たな突破口を見つけ出すかが今年のポイントとなるだろう。またソーシャルサービスは収益化のルートを模索し続ける必要がある。2019年、SNS業界はいったいどこへ向かうのだろうか。

微信、新サービスのチャンスか

投資ファンド「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」董事総経理の汪天凡氏はこう語る。「微信のようなライフサイクルの長い製品であっても、7.0バージョンを見れば分かるとおり、絶えず革新を続けている。ということは、SNSにはイノベーションと進化を続ける余地が常にあるということだ」

汪氏は、微博(Weibo)と微信の巨大な市場は既に他のサービスに明け渡されたと考えている。今後2,3年のうちに、若者がコンテンツのやり取りを行うための新サービスが誕生するかもしれない。

例えば、ニッチSNSだ。これまでにも特定の情報について交流する「虎撲(Hupu)」や「豆瓣(Douban)」などのサービスはあったが、今後は特定セグメントを対象とする狭く深いコミュニティーが数多く生まれるだろう。もしかしたら、ニッチ領域から攻め込み、大衆ニーズを満たすまでに成長するサービスが現れるかもしれない。

ターゲットは2000年代生まれの世代と中高年

中国の高齢化がもたらす変化にも、大きなチャンスが秘められている。

例えば、中高年に人気のフォトアルバム共有アプリ「小年餻(Xiaoniangao)」は、デイリーアクティブユーザー(DAU)が100万人に達した。動画を視聴したり、コンテンツを制作したりする高齢者が増え、高齢者向けの撮影講座や老人大学などの関連サービスも生み出した。

一方で、昨年は「即刻(Jike)」や「Soul」などの若者にフォーカスしたSNSがいくつもリリースされており、DAU、ユーザー増加率共に好調だ。中国で1990年代~2000年代に生まれた若い世代はほとんどが一人っ子であるため、慢性的に孤独感を抱えている。これらのサービスは若者の「孤独感」を埋めることで成長している。

若者のニーズは変化が激しく、これからのSNSがどんな形態になるかを予測するのは困難だが、中国で2億人の若者が抱える孤独を受け止めるサービスが求められていることは明白だ。若者の孤独を解消するようなコミュニティーを提供できれば、サービス自体のライフサイクルを延ばすことも可能だろう。

40~50代以上のニーズも見過ごせない。気落ちするようなことが増える昨今で、人々の気持ちを落ち着かせるような、メンタル系のSNSが2019年に複数出現する可能性もある。

収益化が困難になり、大手依存の傾向に

ソーシャルECサイト「小紅書(RED)」創業者の瞿芳氏はこう語る。「モバイルインターネットによる効果は次第に減少している。2018年以降、新たなプラットフォームが生まれるチャンスはなくなった」

さらに業界内では、ユーザーのトラフィック全体が急速に減少しているとの認識がある。これまでは技術を駆使してユーザーを獲得できていたが、今ではその効果は薄れ、ユーザー争奪戦は新たな段階を迎えている。

このため、ソーシャルサービスを提供する企業は、さらなる収益化の可能性を求めて自らの領域を広げている。2019年初めにQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」は「CHAO」というソーシャルアプリをひっそりとリリースした。そのトラフィックの大部分は知乎から流入したものだ。CHAOは若い女性の獲得を狙う小紅書などと正面対決するのを避けて、比較的ニッチな男性層をターゲットにしている。小紅書も、昨年はアプリ内に広告スペースを設け、「ブランドパートナー・プラットフォーム」をローンチしており、収益化の試みは今年も続くとみられる。

トラフィックから収益を上げられなくなると、多くの企業は大手企業のエコシステムに頼ろうとする。2月20日、ストリーミングメディア「豆瓣FM(Douban FM)」が「テンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME、騰訊音楽娯楽集団)」と「摯信資本(Trustbridge Partners)」から戦略的投資を受けたことが明らかになった。小紅書や知乎、豆瓣など成熟したコミュニティーは、ユーザー層の拡大を狙う野心と既存のコミュニティーカラーとの間でどのようにバランスを取るかという大きな課題に、2019年も取り組む必要があるだろう。
(翻訳・畠中裕子)

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