お笑いSNS「最右」、88億円の資金調達 シャオミがリードインベスター

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お笑い系コミュニティアプリ「最右(ZUIYOU)」を運営する「北京小川科技(Xiaochuan Technology)」が、最新ラウンドで8000万ドル(約88億円)の資金調達を完了したことがわかった。リードインベスターは小米科技(シャオミ)で、既存株主の一部も投資している。SNS・コミュニティ関連アプリへの投資としては過去1年で最大規模となった。この件について最右は「ノーコメント」としている。

最右の資金調達の流れ

最右は、95後(95年以降に生まれた若者)をターゲットとするお笑い系コミュニティで、キャッチコピーは「専治不開心(不機嫌の特効薬)」。面白コンテンツでユーザーを呼び込み、ユーザーは各コンテンツにコメントを寄せ、スレッド形式で相互交流できる。

最右のコンテンツの多くは他のプラットフォームからの転載で、お笑いからゲーム、グルメなど多岐にわたっている。またコンテンツ投稿の自由度が非常に高く、同じトピックであれば1件の投稿に動画と写真を最大9点まで混在させることができる。

最右アプリのスクリーンショット

最も特徴的なのはコメント欄で、ユーザーはここでも複数の写真を投稿することができる。「いいね」獲得数が突出したコメントは「神評」と呼ばれ、これらのコメントが最右のコンテンツの核となっている。神評の中には、本スレッドと同等数のレスがつくものもある。

スレッドを通じて相互交流を図る形式により、最右ではKOLのような超人気ユーザーは生まれないという。その代わり、各ユーザーがが平等に交流し気軽に楽しめるコミュニティという雰囲気を確立しており、ユーザーとのつながりを築くことに成功している。

モバイルインターネット調査会社「QuestMobile」のデータによると、2018年11月時点で、最右の月間アクティブユーザー(MAU)は前年同期比85%増の1318万人に達した。またモバイルビッグデータを扱う「極光大数據(JIGUANG Big Data)」のデータでは、2018年12月の最右のデイリーアクティブユーザー(DAU)は190万人に上る。

運営会社の北京小川科技は、コミュニティアプリ「皮皮搞笑(Pi Pi Gaoxiao)」のインキュベーターでもあり、皮皮搞笑の運営会社「北京小歩科技(XiaoBu Technology)」は同社の完全子会社だ。関係者によると、今回比較的高い評価額によって資金調達が行われたのは、2つのアプリの人気度に対する総合的な判断と、最右のマネタイズの可能性によるものだという。

皮皮搞笑は2018年9月のリリースから3カ月でiOSソーシャルアプリランキングのトップ50に入り、現在も30位以内で安定している。

最右のターゲット層はもともと20代前半の若者だったが、2018年4月に中国当局が人気お笑いアプリ「内涵段子(Neihan Duanzi)」を閉鎖処分にして以降、内涵段子のユーザーが最右に流入し年齢層が広がった。データ分析会社「易観(Analysys)」のデータによると、現在24歳未満のユーザーが36.8%を占めているが、31〜35歳のユーザーも31.7%と高比率である。また、超一級および一級都市のユーザーが43.3%を占めている。

一部ではお笑い系アプリのDAUは4000万程度が上限だといわれているが、現在の最右と皮皮搞笑の状況からするとまだまだ成長の余地がある。ただ、内涵段子の運営元「今日頭条(Toutiao)」がリリースした新しいお笑い系アプリ「皮皮蝦(PIPIXIA)」は、すでにiOSエンターテイメントアプリランキングのトップ10に定着しており、手強いライバルと言えそうだ。
(翻訳・神江乃緒)

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