ビリビリ動画、22年1〜3月期売上高30%増の1000億円に タテ型動画広告が順調で商業化加速

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動画配信プラットフォームなどを運営する「bilibili(ビリビリ動画)」が9日、2022年1〜3月期の決算報告(未監査)を発表した。売上高は前年同期比30%増の50億5400万元(約1000億円)。月平均アクティブユーザー数は同31%増の2億9400万人、モバイル端末利用の月平均アクティブユーザー数は同33%増の2億7600万人、日平均アクティブユーザー数は同32%増の7940万人だった。

会長でCEOの陳睿氏は「コロナ禍に阻まれながらも我々の事業は安定した粘り強さをもって成長した。ユーザー規模やコミュニティの活性度は質の高い成長を維持している。月平均有料ユーザーの割合もさらに9.3%にまで伸びた。今年もユーザー数の健全な伸びを維持する前提の下、商業化の加速を企業戦略の重点とし、より一層コストを削減して効率を上げていく。上海でコロナの感染状況が下火になってきたこともあり、bilibiliの各事業も速やかに正常な成長軌道へ戻ると信じている」と述べた。

商業化を引き続き加速、タテ型動画で広告効果が向上

bilibiliの今年の重要な目標の一つは商業化を加速させることだ。22年1〜3月期、広告事業は引き続き市場シェアを伸ばし、付加価値サービス事業も収益化の潜在力を発揮。ライブ配信事業では月平均有料ユーザー数を前年同期より60%増やした。

ゲーム事業の売上高は前年同期比16%増の13億5800万元(約270億円)。現在、3タイトルの配信・運営ライセンス(中国語で「版号」)を取得済みであるほか、4〜6月期には海外市場で3タイトルをリリースする予定だ。

ライブ配信および有料会員事業が堅調で、付加価値サービス事業の売上高の伸びに貢献した。付加価値サービス事業の売上高は前年同期比37%増の20億5200万元(約410億円)だった。bilibiliでは豊富なPUGV(Professional User Generated Video、プロユーザーが制作した動画コンテンツ)とライブ配信のエコシステムが好循環を形成している。1〜3月期のアクティブライバー数は前年同期から88%増加した。良質なライブコンテンツが有料ユーザーの増加を促し、ライブ配信事業の月平均有料ユーザー数は同60%増加した。

広告シーンとプロダクトを継続的に充実させてきたこともあり、広告事業の売上高は前年同期比46%増の10億4100万元(約210億円)だった。主な広告主はゲーム、コスメ・スキンケア、3C電子機器(パソコン、通信機器、消費者向け電子機器)、自動車、食品・飲料の5業界だ。bilibiliは4月にタテ型動画「Story-Mode」による広告をスタートした。画像とテキストで構成された広告と比べ、タテ型動画広告はより没入感があり、コンバージョン(成果)にも繋がりやすい。将来的にはアルゴリズムやプロダクトの性能を改善してさらに広告効果を上げていく。

コロナ禍の再燃でEコマース事業では物流に問題が生じ、3月からは商品のフルフィルメント(受注から配達まで)の効率に影響した。影響を受けたユーザーに対しては納品延期や自動返金で対応している。5月に入って徐々に物流が回復するとEコマースの取引額も回復に向かった。1〜3月期、Eコマースその他の事業の売上高は前年同期比16%増の6億300万元(約120億円)だった。

22年3月31日時点でbilibiliが保有する現金および現金同等物、定期預金と短期投資は総額247億元(約4900億円)、1〜3月期のNon-GAAP指標での調整後純損失は16億5000万元(約330億円)だった。

bilibiliは3月初め、向こう24カ月以内に5億ドル(約670億円)の自社株買い計画を実施すると発表した。 同計画に基づき、22年3月31日時点で米国預託証券(ADR)約140万株を総額約3000万ドル(約40億円)で買い戻している。また、負債比率を引き続き適正化していくため、2026年12月に満期となる元本2億400万ドル(約270億円)の転換社債を総額1億4800万ドル(約200億円)で買い戻している。

3月には香港証券取引所に申請していたプライマリー上場への変更が認められた。10月3日付で香港市場と米ナスダック市場への重複プライマリー上場となる。
(翻訳・山下にか)

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