アリババ、宅配大手の申通(STO Express)に774億円出資へ

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宅配大手「申通快逓股份有限公司(STO Express)」は3月11日、公告を発表し、アリババが同社に46億6000万元(約774億円)出資する計画について明らかにした。

公告によると、申通快逓の支配株主である投資会社「徳殷投資(Deyin)」が新会社Aと新会社Bを設立する。新会社A、Bは申通快逓の株式をそれぞれ29.9%、16.1%保有する。アリババは支配株主側から新会社A株の譲渡を受けるか、または新会社Aの増資を引き受けることにより、新会社Aの株式49%を46億6000万元(約774億円)で取得する予定。

アリババは今回の出資に先立ち、宅配大手の「圓通(YTO Express)」、「中通(ZTO Express)」にもそれぞれ出資している。2015年5月、アリババは創業者の馬雲(ジャック・マー)氏らが設立した投資ファンド「雲峰基金(YF Capital)」と共同で、圓通の株式約11%を取得。2018年5月にはアリババと傘下の物流サービス会社「菜鳥(Cainiao)」らが中通の株式約10%を13億8000万元(約230億円)で取得している。

今回の申通快逓への出資は、アリババが投資戦略において物流業界の大手のうちの「三通」(中通、圓通、申通快逓)を集結させたことを意味する。これにより、スマート物流ネットワークの整備が進み、国内24時間以内、海外72時間以内の配送という目標に一段と近づいた。

申通快逓がアリババからの出資を受けるタイミングは、中国の主要宅配企業が加盟する「菜鳥連盟(Cainiao Alliance)」のメンバーとしては遅い方だ。ただ、2018年5月に菜鳥の子会社「浙江駅桟(Zhejiang Yizhan)」が複数の企業から総額32億元(約531億円)の資金を調達した際、同社も1億元(約16億円)を出資し、浙江駅桟の株式1.4%を取得している。もしかすると、これも同社とアリババが結びつきを深める前兆だったのかもしれない。

同社の昨年度の業績は好調だった。同社が発表した2018年通期決算によると、売上高は170億1400万元(約2820億円)と前年比34.2%増加(物流業界平均は20.7%増)。株主に帰属する純利益は前年比37.46%増加(物流業界平均は3.3%増)している。(翻訳・池田晃子)

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